イギリスに移住してから今年で8年ほど経ちました。途中、日本へ長期帰国した時期もありますが、もうそんなに長くこの国にいるのかと驚きです。
恐ろしいことに、留学時代を含めると14年ほどイギリスに関わる人生を送っています。「モッズ」という文化を研究制作がキッカケで渡英したのですが、未だに面白いことが尽きない国です。
この14年間、いろいろな国籍の人に会い、友人になったりいつの間にか連絡を取らなくなったり、なんでも共有し合える兄弟のような関係になったり、その中でも「この人とは一生縁があるだろう」と感じる人たちもいて縁に恵まれたのは感謝です。
そんな一生縁があるだろうと思うカップルが、この度長い交際期間を経て結婚することに。
彼らとの出会いは2016年まで遡り、タワーブリッジの近くで催されたポーランド祭で声をかけられたのがキッカケでした。
ポーランド語が飛び交う空間の中で「日本人ですか?」と日本語で話しかけられ、その時はたわいもない会話をして別れたのですが後々インスタで改めて交流をもち、そこから友達の輪が広がり今や日本やポーランドにも共通の友達がいる状態に。
▲ポーランドに住む共通の友人の結婚式にイギリス&日本から参加
そんなこんなで移住してすぐできたポーランド人の友人。
イギリスは住みやすい国(だと思う)ですが、それでも「自分はこの国では外国人だな」という場面にちょくちょく遭遇します。それは留学時代も今も変わりなく、良い意味でも悪い意味でも。
そういうちょっとした事、イギリス人に話しても「?」となる事を、ポーランド人はかなり共感を持ってくれて、毎日テキストしあい私にとって彼らはイギリス生活における良き相談相手でもあります。
またグッと冷え込んだイギリス。最高気温が5度、最低気温がマイナス4度の中、車を1時間半ほど走らせてレッドヒルというロンドン外の街を目指します。
レッドヒルは小さくて可愛い町。ロンドンに出戻り引っ越しをする際、レッドヒルも引っ越し候補の一つでした。結局鉄道のストライキ関係で断念しましたが、のどかで静かな町です。
到着してまずポーランドのお酒で乾杯です。結婚式は翌日なので、お互いに「飲みすぎないようにしなきゃ」と言いつつ、このお酒おいしくてゴクゴク飲んでしまいました。
夜ご飯はハンガリー風シチュー「グヤーシュ」とポーランド料理のポテトパンケーキ「プラツキ・ジェムニャチャーネ」
東欧は料理がとにかくおいしい、優しい味で日本人好みです。「明日、指輪持っていくの忘れないように!」と言いつつ、この日は早めに就寝。
翌日は隣町のレジスターオフィスへ。レジスターオフィスは日本でいう市役所のようなところで、ここで結婚の手続きをします。
ポーランドはカトリック教の国。でも友人は…というか、私の交流のあるポーランド人たち(1989以降に生まれた世代)はどうにも宗教と折り合いが悪い人も多いらしく、色々思うところがあるようです。
親の世代(社会主義時代を経験した世代)とも意見が合わず、衝突することもあれば親族だったとしても交流を諦めてしまう人も多いそうで、そういう話を聞くと少し寂しい気持ちになります。でもこれは、宗教の中で生きないとわからない苛立ちなんだろうなあ…。
ポーランドといえばクラクフにあるSt. Mary’s Basilica(聖マリア聖堂)をはじめ、人々の信仰から生まれた美しい建造物や、生活の中に溶け込む宗教という連帯感が、外国人の私から見ると魅力の一つでもあるのですが、その中で生きていくのは色々あるのかも…。連帯感というより同調圧力に近いのかもしれないですね。
また、周りで結婚する人たち(国籍問わず)もレジスターオフィスを選択する人が多いです。宗教や金銭的な理由、スケジュールの関係や手軽さなど理由はそれぞれ。
ここ最近暖かかったので油断してかなり薄手のワンピースを着ており、この日もマイナス4度まで気温が落ち、レジスターオフィス内が暖房ガンガンだったので助かりましたが、冬の結婚式参列は服装が難しいですね。
レジスターオフィスでは職員さんによって誓いの言葉が読み上げられ、手続きが着々と進んでいきました。職員さんが面白い人で「写真撮るならここの角度よ!」と教えてくれ、私はこの日カメラ係も請負っていたので、写真と動画を撮りまくっていました。
結婚式って昔は謎の文化だったけど、慣れ親しんだ友達も自分も普段とは違う服や雰囲気の場所で、改めて人生の門出を祝うというのは美しいものだなぁ。
極端に美しいものみると満足感や達成感(?)で死にたくなるから、バーチャルというフィルターを通したのも良かった。 pic.twitter.com/jwJpNDk9nn— Mio_Mods🍎 (@MioMods) October 15, 2022
去年末にも友人が結婚し、新しい門出に立ち会うとポジティブな空気を頂けるのでありがたいです。
そしてもう一つの仕事が、ウィットネス(立会人)書類へのサインをすること。このウィットネスになってくれる人がいない場合、ネットで30ポンドほどで全く赤の他人を雇う人もいる…と聞いてびっくり。
大事な書類、しかも結婚式というおめでたい席で書き損じはマズいので、しっかりサインしました。
レジスターオフィスでの手続きが終了し、その後は街のイタリアンレストランへ移動して食事会です。
美味しい魚介類、ピザにパスタをいただきました。
朝まで紙面上は独身だったのに今は既婚者とは不思議な感じがするね、と話しつつ、パートナーとしては10年以上の付き合いなので「結婚」は一つの通過点にすぎず、これからもずっと仲良く過ごしてほしいです。
家に戻って堅苦しいフォーマル服を脱ぎ捨てて、早速ウォッカを飲みまくりました。
ヘリングの酢漬け。これがウォッカに合う…!不思議なことにガーキン苦手なのですが、ポーランド料理に使われてるガーキンはおいしく感じます。食材の合わせ方が味覚に合うのかな?
夜も色々話して、改めて結婚のお祝いの乾杯をして、のんびり過ごすことができました。
翌日、ポーランド風朝ご飯。
ポーランドに行った時に驚いたのが、朝ご飯がめちゃくちゃ美味しいこと!新鮮な卵で作られたスクランブルエッグ、野菜、ハムやソーセージ類、そして焼きたてのポーリッシュパン。普段朝ご飯食べないのですが、ポーランド旅行へ行った時だけは欠かさず食べるようにしています。
東欧の農業大国、産地直送なのかフルーツのジュースなどもめちゃくちゃ美味しいですよね…ポーランド旅行早く行きたいなあ…。
今回パン以外の食材はポーランド食品店のものらしいです。ポーランド食品店、イギリスの現地スーパーのは売っていない食材なども売ってて面白くて時々行っておりますが、いかんせん文字が読めないので中々新しいものを購入できず…。
そして今回驚いたのが、こちらのソーセージが日本のシャウエッセンやアルトバイエルンみたいなあらびきソーセージにそっくり!聞いたところこれもポーランド食品店の精肉コーナーで買ったとのこと。
その後地元のポーランド食品店で探したものの、同じようなものは見つからず…しかしTESCOであらびきソーセージ風のものは見つけることができました!
そんなわけで美味しい朝食を食べて、紅茶やコーヒーでのんびりしてお昼過ぎにロンドンへ車を走らせました。なんだかあっという間だったのですが、久々に一緒に過ごせてよかったです。また落ち着いたら旅行に一緒に行きたいなあ〜。
その後、ポーランド食品店でガーキンを購入。行くまでは全く興味がなかったポーランド、今やイギリスに次ぐ第3の故郷というくらい大好きな国です。コロナも落ち着いてきたし、航空券をそろそろチェックしようと思います。
結婚式はやっぱり楽しいし、前向きな空気に包まれてとても素敵な時間を過ごせました。今回立ち会い人を頼まれたのも嬉しかった、末長くお幸せに〜!
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