イギリスでクリエイティブ職就活①ロンドンでデザイナーになるためのアドバイス

この記事では「現地企業にクリエイティブ職で就活」する際のアドバイスをまとめました。

私は今現在クリエイティブデザイナーとして現地企業で働いています。

クリエイティブデザイナーってどんな仕事?

企画やコンセプト設計から制作まで幅広い領域をカバーし、様々な媒体でアイデアを実現させる職種です。より具体的に言うと、コンセプト/IP/CI設計、ビジュアル制作(グラフィックやイラストレーション)、UXデザイン、映像制作、マーケティングなどの領域を包括的に実行し、描画能力と制作ツールを駆使して成果物をアウトプット。

と、文章にしたら難しく聞こえますが、平たくいうと「なんでも描く/作る/設計するマン」です。

かなり長い記事になりましたが

  • ある程度の計画性
  • 技術力を証明できるポートフォリオ
  • 意思疎通が可能な英語力
  • 安定したメンタル

その4つがあればイギリスでの就職は可能だと思います!

海外就職は「どれだけ情報を多く持っているか、現状を把握しているか」で難易度が変わってきます。私の苦い経験がこれを読んでいる方の糧になれば幸いです。これからイギリスに行く方も、今イギリスで就活している方も、みんなに幸あれ〜!

イギリスでの就活は十人十色、一例として読み流していただけたら幸いです!



Contents

イギリスでクリエイティブ系仕事探しのながれ

私はイギリスで3回ほど転職していますが、大体の場合以下のプロセスで就職活動をしています。

  1. CVとポートフォリオを作成
  2. 人材紹介会社に登録
  3. Linkedinに登録、プロフィールを整える
  4. 各サイトやGoogleジョブサーチのジョブアラートをオンにし毎日求人情報をチェック
  5. LinkedinIndeedを中心にアプライ開始
  6. 電話スクリーニング(10分程度電話で話し適性を見られる)か面接の連絡が来る
  7. 面接
  8. 企業によっては面接後、アセスメント(実技試験)
  9. アセスメントをパスしたら二次面接〜、もしくはそのまま採用

他にもOttaCreative Recruitmentにも登録しましたが、ゴースト(途中で連絡が途絶えること)されることが多々ありました。ただ、色々なところに自分の情報を露出することで、エージェントからの連絡がくる可能性は上がるので、主要なジョブ登録サイトおよびエージェントには登録しておくと良いです。

Linkedin は欧米ではとてもポピュラーなビジネス用SNSで、求人に応募したり、リクルーターや人事(HR)にメッセージができたり、同じ職種の人々と繋がってアドバイスをもらえたり便利です。無料でアカウント登録できます(有料プランも有)

自分の興味のある業界や同じ職種の人にコンタクトをとってCV添削をお願いしたり、業界の景気やニュースなど動向を調べたり、就活中は色々活用しました。また狙ってる業界に勤めている人・求職中の人のポートフォリオを見れるのでポートフォリオ作りにも役立ちます。

クリエイティブ系は滅多にないですが、Japanese Speaking Job(日本語必須の求人)をお探しの場合は以下の日系人材紹介サービスに登録しましょう。

ブラック企業にご注意!:某日系人材紹介サービスを通してパワハラ・モラハラ・違法行為が横行する現地ブラック企業を紹介され、退職後にその企業の違法性をレポートして送りましたが今でも求人が出されております。これを機に、現地企業であっても日本に関係する仕事には応募しないようになりました…。

個人的に JAC Recruitment さんはスタッフの方々が非常にプロフェッショナルで、しっかりとしたコンサルティングを提供してくれます。求人者のキャリアを真剣に考えてくれる姿勢に好印象を持ちました。

在英日本人御用達の掲示板「MIXB」も求人ページにも稀にクリエイティブ系求人が載っています。

イギリスで仕事探しは1月〜3月下旬、9月〜10月下旬が狙い目

個人的に1月〜3月下旬、9月〜10月下旬までが就活・転職活動をするのにオススメの時期です。

業界次第ではありますが、この時期はジョブマーケットが全体的に活発だからです。リクルーターも積極的に採用活動を行っている印象があり、Linkedinからの連絡も他の季節に比べて多かったです。

6月〜8月下旬まではサマーホリデーシーズン、ジョブマーケットの動きが一気に停滞。11月中旬〜からはクリスマス間近なので転職する人が少なく、空ポストが生まれにくい時期です。12月中はクリスマスムードで企業の採用活動が大人しくなります。

同じ理由で4月と5月もバンクホリデー(イギリスの祝日)があるため、担当者が不在になったりプロセスのスピードが落ちることがあります。

なのでホリデーシーズンからズレる1月〜3月下旬、9月〜10月下旬までは狙い目です!

ホルデー期間にかぶると、人事に「明日から2週間ホリデーだから、また帰国したら連絡するね」「明日からホリデーだから◯◯に引き継ぐね」と言われそのまま音沙汰がなくなったり、問い合わせしても「担当者がいないのでわからない」と言われ、全く進展なく終わったり…。

ご自身が狙っている業界の動きを見ながら、ホリデーシーズンに被らないように就活する、渡英時期を決めるのも大事です。

Japanese Speaking Jobでクリエイティブ職は少ない

日系企業のクリエイティブ職をお考えの方もいるかもしれませんが、Japanese Speaking Job(日本語必須の仕事)でのクリエイティブ系の仕事はかなり少ないです。

多くの企業は日本に制作部を置き、イギリス支社では主にローカライズ・マーケティング・PRを行っているからです。

そうなると現地企業を視野に入れて就活となりますが、それはローカルの人々との競争になります。

「クリエイティブを含む技術職は海外就職に困らない」という説がありますが、これはローカル(英語ネイティブもしくは流暢・ビザ有・イギリスの学位があるなど)に圧倒的に勝る技術力+コミュニケーションに支障がない英語力+関連した職歴もしくは優れた学歴があることが前提です。

私たち日本人がイギリスで持っている一番強いカードは「日本語話者/日本のビジネスルールを知っている/日本の文化背景を知っている」です。

ですが、そもそもにおいてそのカードを切れるクリエイティブ系Japanese Speaking Jobはめちゃくちゃ少ないと認識して就活する必要があります。



クリエイティブ職は競争率がとても高い

「クリエイティブ系Japanese Speaking Jobが少ない」と同時に現地クリエイティブ職は競争率がとても高いということも認識しておきましょう。

IndeedLinkedInでは、自身が応募したポジションの大体の倍率を確認することができます。

ロンドン中心部だと採用者1名に対しグラフィックデザイナーは平均して300人前後、企業規模や求人内容によっては数百人を超えることもあります。

求人情報をポストして早ければ半日もせず100人以上の応募があるのが現状です。求人数に対して求職者数が上回っており、その中にはたくさんの経歴を重ねてきた猛者や名門院卒の人もいます。

一応各種デザイナーはSkilled Worker visa: shortage occupations(イギリスで不足している職業一覧)に掲載されているのですが「本当に足りていないの?」と思うほど競争率が高いです。

Linkedinは有料会員であれば他の応募者の情報を見ることが出来るのですが、友人(有料会員)曰く国外からの応募もかなり多いそうで実際にライバルになる人数は約半分ほどではないか、とのこと。それでも100人〜超え…。

そして応募者の中にはCV送付後、企業に直接電話をかけて売り込みをかける方や、追いメッセージをガンガン送る方もいます。それくらい食いつかないと埋もれてしまうのが現状です。

「技術職者であれば〜才能さえあれば〜」というぼんやりした話ではなく「世界中から集まってきた100人を超える候補者の中から、たった1席に座れる強みが自分にはあるか?」と数字で考えると、今の自分の学歴経歴スキルがイギリス就職で通用するのか少し想像しやすくなります。

各業界の景気や就職マーケットの状況は刻一刻と変化し、世界情勢やAIの登場、ビザルールの改正や景気など外的要因で短期間に全てがひっくり返ることも。

安泰と言われていた業界で大規模なレイオフが起きることも珍しい話ではありません。

刻一刻と変わる状況を把握し「物価や家賃が高いイギリスでどのように生き残るか」は常に考えておく必要があります。

色々な職種名を検索する

職種名がニッチなものは、検索する人がそもそも少ないので倍率が下がります。

私の肩書き「Creative Designer」も「Graphic Designer」と比較すると知名度が低いので、倍率はグラフィックデザイナーに比べたら少し易しいです。(業務内容が少し違いますが…)

職種名で敬遠していた・親しみがない求人が、ジョブディスクリプション(職務内容)を確認すると、自分がやりたいことや得意なことと重複している可能性もあります。そのため検索する際には、オーバーレイしている職種名で検索するのも試してみてください。

どのスキルやソフトウェア知識が必要か把握する

「その職種に絶対に必要なソフトウェア」はある程度の求人数を読むと把握できます。私の職種の場合、Adobeが絶対条件の一つになっています。

基本的に現場で使われているソフトウェアが使えないことには他のデザイナーとのチームワークが難しいため敬遠される傾向があります。

Canvaなど様々なアプリの登場によってデザイン業界への参入障壁は低くなったものの、共同作業が出来るかどうかは就活で重要なポイントになってきます。

なので狙っている職種や業界の必須ソフトウェアは必ず調べて、使用できる場合はCVのスキル欄やカバーレターに記載しましょう。

イギリス就職でのビザ

ビザなしより期限付きビザ、期限付きビザよりパートナービザや永住権、イギリス国籍…というように、会社がビザサポートしなくても就労できる権利を持っている人が強いです。ビザサポート可能な企業でも多額の費用がかかるため、ビザに関してはかなりシビアに見られます。

また2023年末に発表された移民流入削減案を見るに、今後Skilled Worker visa(就労ビザ)の取得が難しくなりそうです。有効期限付ビザで、ビザが切れた後もイギリスに残りたい場合は今まで以上にビザのことを考えてプランニングし就活する必要があります。

参考:Changes to legal migration rules for family and work visas in 2024 (2024年の家族や就労ビザに関する法的移民ルールの変更/House of Commons Library, Published Wednesday, 14 February, 2024)

  • 自分の狙っている職種や業界の雇用形態を把握する。フリーランスが主流の業界はビザサポートという概念が薄いため、自営業として起業するかサポートをもらえる道を探す。
    参考:YMSビザで起業された日本人の方のブログ記事:【イギリスビザ】ゼロからSkilled Worker Visaを取得する方法(イギリス弁当屋ブログ)
  • Skilled Worker visa(就労ビザ)サポートを受ける場合、2024年4月4日以降、年収£38,700以上であることが条件。職種によってはジュニアレベルだと£38K以上は厳しいので、ミドル以上の経験を積んでからイギリス就活に挑戦する。
  • Shortage occupation list (不足職種リスト)に掲載されている職種をチェックする。

求人の中には「ビザサポート有」「ビザ所持者限定」など書かれてるものもありますが、全く言及されておらず面接の時にビザが必要か聞かれる場合も。

企業によっては外国籍を雇用することに慣れていなかったり、担当者がビザ情報に精通していないこともあったりで、ビザのことがすっかり抜け落ちている場合もあるので、スクリーニングもしくは面接段階で詰めておく必要があります。

新移民流入削減案がどのように作用しどれほどの影響が出るのか、まだまだ不透明なところは多いのです…。日本から就活してビザサポートを受けイギリス移住されている方もいるので、可能性がゼロではないのですが、今後就労ビザ取得は茨の道になりそうです。

ビザルールは移り変わりが非常に激しいので、ブログではなく必ず英国政府ウェブにて最新の情報をチェックしましょう。私もビザに振り回された過去があるので、一人でも多くの人がこのビザ地獄で苦しまないことを祈ります…。

サイレントお祈りが基本、ゴーストされることも

日本だとまともな企業はお祈りメールを応募者に送りますが、イギリスではサイレントお祈りが基本です。効率化重視のイギリス社会、不採用者に時間を割かない企業の方が圧倒的に多いです。

たくさん応募してもどこからも反応ないと不安になりますし、日本の感覚だと「不誠実だなあ」と感じますがこれがイギリスのスタンダードです。求人自体がゴーストジョブなこともあります。

そしてサイレントお祈りよりタチが悪いのがゴースト(Ghost)。選考途中にリクルーターや企業側から連絡が途絶えることです。面接やアセスメントの結果がこなかったり、こちらから問い合わせても音沙汰がないことも…

参考:‘Ghosted’ after a job interview? Experts reveal how to handle the experience (面接後に連絡が途絶えた場合の対処法を専門家が明かす)

求職者も時間を割いて就職活動しているので、採用側のこういう行為は本当に腹立たしいです。不採用通知であってもちゃんとメールしてくれる企業ありがたい、と思うほど。

そしてどこからも反応がない・ゴーストされる、はだんだんメンタルにも響いてきます。世の中に自分は必要とされていないのか…と、減っていく貯金額を見ながら凹みますが、モチベーションが下がると負のスパイラルに突入しやすいので「縁がなかった!」とある程度の割り切りも大切になってきます。

ポートフォリオはしっかり作り込む

「技術職者が語学に多少難ありでもどうにかなる」という説は「英語力を補うレベルの技術力があるから」「世界共通のソフトウェアを使えるから」というのがベースになっています。そしてクリエイティブ系は「成果物を見せることができるから」も大きな理由の一つです。

そのためポートフォリオはある意味でCVよりもずっと重要になってきます。

作品を並べるだけではなく、コンセプトやリザルトも重視されます。制作中のスケッチや試作品、どういう背景でこういうアウトプットを作って、それがどのように作用したか、などのコンセプトシートを一緒に制作する必要があります。

そしてポートフォリオの整理は結構時間がかかる…!!CVのアップデートもあるし、てんやわんや(※日々こまめにアップデートしてる方は大丈夫、爪の垢ください)ビザが期限付きの場合は、日本にいる間もしくは在学中に構築するのをおすすめします。

ポートフォリオについての詳細はまた別記事にまとめます。

イギリス就活で必要な英語力

英語力は高ければ高いほど良い!ですが、ネイティブでない場合、求められている英語力は以下だと体感的に感じます。

  • 電話もしくはオンラインで意思疎通ができる
  • 就活での面接で自分の考えを表現できる
  • 日常会話に困らない
  • コンセプト、ステートメント(キャプション)、プレゼンをできるスピーキング力
  • 相手の意図を理解できるリスニング力

ぼんやりした書き方になってしまいましたが…面接についての詳細はまた別記事にまとめます。

ローカルの人は「転職慣れ」している

イギリスは転職社会です。なので、20代であっても何度か転職経験をしている人がザラにいます。

根本的に「次にもっと良いお給料や待遇の職を得るため、今の職場で経験を積む」という考え方ですので、いくら居心地が良くても何年後かに転職を見据えている人が多いです。またレイオフ(会社都合の解雇)で不本意に職をなくす場合もあるので「転職」に対する考え方がドライでシビアです。

なので他の候補者(ライバル)は自己分析や会社のリサーチに長けており、これにビザやら語学力やら…となると、本当に就活市場は戦場です。

でもこれはマイナスな意味だけではなく転職社会であるのでCVやカバーレターのチェックのサポートを受けやすく「仕事探してるよー」とアピールすることでネットワーキングに繋がりやすい構造になっています。

仕事探しをする場合、まず周りに声をかけるところから始めるのもありです。意外なところから声がかかったり、業界の人と繋いでもらったりリファラル採用や相談に乗ってもらえる機会を得ることができます。

ローカルの人たちは仕事探しの厳しさを知っているので、遠い遠い遠い関係の人にも繋いでくれたりアドバイスをくれたり、就活の強い味方になってくれます。



SNSやイベントに参加してネットワーキングする

しかし、そもそもにおいてイギリスに知り合いがいない!という場合もあると思います。

LinkedinやSNS各種からオンラインでネットワーキングを広げていくのもありです。現地にすでにいる場合はMeetupEventbriteでネットワーキングイベントや関連Job Fairを探してみてください。

英語で探すのももちろんですが、在英・在外日本人の情報もとても役立ちます。

SNSでは在英日本人の方が就職セミナーを開催を告知されていたり…

就職フェアの情報をツイートされていたり…

所属企業の求人をツイートされている方や…

人材紹介企業が求人や仕事探しのコツやイベントをポストされていたり…

また情報を探すだけではなく、自分から仕事探しをしていると周知することもできます。

X(旧Twitter)やインスタなどで情報をリサーチしたり、もし同職種を目指している方や就職された方がいる場合はコンタクトをとってみることもできます。

ところで…オーストラリアやカナダの情報はそこそこ見かけるのに、イギリスの就職転職の情報量が比較的少ないのは渡航者数の母数が少ないからではないかと思いますが、今年からYMSビザが1500人→6000人に増枠されるので、今後はもっと色々な情報が増えてくるかもしれませんね。

イギリスの仕事探しに役立った&参考にしたYoutube動画とブログ記事

またテック業界であれば「Port(海外で働きたいまたは働いている女性&ノンバイナリー in tech の集まり)」などのコミュニティがあるのでチェックしてみてください。デザイナーにもこういうコミュニティあったらいいな…。

ポートフォリオへのアクセスを増やす

実体験からのアドバイスです。私が勤務してる会社で某ポジションを募集しよう!という話になりました。

その時に「あ、そういえば在英日本人でそのポジション探してる方をXで見かけたな(※フォロワーではない)」と思い出し、上司にそのことを話しました。

上司に「ポートフォリオ送って〜」と言われたのですが、プロフィールにポートフォリオやLinkedinのリンクはなく、Xも日常生活の写真はあるのですが作品に関するデータがありませんでした。

「問い合わせてみましょうか」とも聞いたのですが「いや、普通に募集かけるわ!わざわざ問い合わせして全然テイストが違ったら申し訳ないしね」ということがありました。

現地就職のしんどさを知ってる分、同じ日本人にチャンスを回せたら…と思ったのですが、ポートフォリオがないと推す根拠がなく、自分の作品へのアクセスを繋いでおくのはとても大事だと感じた出来事でした。

クリエイティブ系企業はCVすっ飛ばしてポートフォリオを最初に見ることも多々あります。なので、それへのアクセス口をできるだけ増やすのも大事です。

もし一般公開していない場合でも「ポートフォリオお問い合わせ」ページを設けるとか、LinkedinへのリンクをSNSなどにも貼っておくと良いと思います。

イギリスで就職するにおいてのプライオリティ

イギリスで就活する場合、それぞれのステータスによって何をゴールにするかが変わってくると思います。

  • ビザサポートが必要
  • 生活や旅行するための資金稼ぎ
  • 英語力を伸ばせる環境に身を置きたい
  • 自分の専門分野を使う仕事がしたい
  • 日本に帰国前提のキャリアステップアップにしたい

などなど…。

就活していく中でプライオリティはある程度変動させる必要があります。シビアな話ですが、ビザが切れたり資金が尽きたらどうしようもありません。

なので、どれだけクリエイティブ職にこだわっていても「このままでは生活基盤が崩れてしまう」となった場合、プライオリティを少し変動させまずはビザや生活資金確保・心身の健康を優先させる必要があります。

やりたい業種が決まっている人にとって、生活を優先することは腹立たしく感じるかもしれませんが、生活基盤を安定させてから引き続き就活を続けチャンスを待つ、日本に一旦戻って経験を積み再挑戦する、など柔軟な計画性と長期的な忍耐力が必要になります。ビザが影響してくるので本当に決断が難しいことだと思いますが…。

なのでパーマネントビザがないけどイギリスに住み続けたい場合、GraduateビザやYMSビザを人生のどの段階で使い、それをどのように活用するかは結構重要になってきます。

また生活基盤安定のため他業種への転向も経験がないと難航する恐れがあるので、保険としてバックアップの経験を作っておくと助けになると思います。私はこれを怠って背水の陣になりました。

業界の雇用形態や景気を把握する

正社員雇用・パートタイム・フリーランス・派遣社員など様々な雇用形態があります。プロジェクトベースやコントラクトベースなど、一定期間もしくは特定プロジェクト遂行のための雇用もあり、大体求人に情報が書かれています。

特にファッション・映像/映画・VFX・イラストレーターはプロジェクトベースのフリーランス契約が主流に感じます。

フリーランスの場合、仕事が仲間内で回っていることも多々ありその輪の中に入らない限りチャンスを掴むのが難しいです。イギリスはコネ社会なので、そういう仕事のつながりを築く力(ネットワーキング力)も実力の一つと見なされます。これが日本人にとってなかなかハードル高い部分に感じます…。

希望職種の求人がIndeedやLinkedinにあまりない場合、もしかしたらそれはフリーランスで成り立っている可能性があるのでネットワーキングに参加して情報収集したり、SNSなどでもうすでにその業界にいる人とコネクションを作るなど、違う角度から切り込んでいく必要があります。

また業界や職種の景気を知るのも大事。いくら就活しても手応えがない場合、業界自体が落ち込んでいて、新しいプロジェクトがなかなか生まれない、プロジェクトが頓挫している、新しい人を雇うほどの余裕がないこともあります。

そして、業界だけではなくイギリスの景気ももちろん影響してきます。2023年から続くインフレーションに年末には大規模なレイオフがIT業界で行われそれが他の業界にもジワジワ影響し、2024年2月にはイギリスの景気後退がニュースとなりました。

イギリスの「不景気」は日本の比にならないレベルで国民に影響が出ます。なので景気のチェックは常々行い「この業界ちょっと雲行き怪しいな〜」と思ったら、違う業界に移れるよう戦略を柔軟に変えて就活する必要があります。

参考:UK economy fell into recession after people cut spending(イギリス経済、支出削減により不況へ)

海外就職で「日本人」はプラスになる?

「日本人であること・日本語が使えること」はやはり日本に関する職種や日系企業で一番効力を発揮するので、現地企業で日本マーケットに無関係な職種はあまり国籍的なメリットはありません。

クリエティブ系であれば日本人であることで「アジアのデザインストラクチャーや文化背景を理解している」「ミニマルデザインが得意(日本=ミニマルデザインという認識の人がちらほら)」という点は、評価対象にされることがありました。

ただ、これは諸刃の剣で「欧米のデザインストラクチャーどの程度理解しているのか?」と面接で聞かれることもあり、プラスに働く時とマイナスに働く時があります。
※イギリスの学位や職歴を持っていたらこれらの質問は免れるかもしれません。

なので例え自主制作であっても、ポートフォリオには現地の言語によるデザインは必ず入れておいた方がいいです。そうするとアジア・欧米の両方に理解があると一気に強みに転換することができます。

先人の日本人の功績や日本文化により日本に良い印象を抱いている人もいます。しかしながら採用活動もビジネスなので「日本人だから」と贔屓されることはほぼありません。



英語力・学歴・経歴があれば選択肢が増える

「英語力・学歴・経歴」が無くても海外就職は可能です。しかし、それらがあった方が「選択肢が広がる」という側面はあります。

希望に近い仕事(業務内容・ビザサポート・給与・待遇・役職)を得るために「学歴・経歴・英語力」が必要になります。

弱肉強食!「英語力がない」=「搾取される要因」になる

一部の「Japanese Speaking Job」のお給料の低さは外国人にもネタにされるほどです。

「英語が話せない」というのは現地企業だけでなく日系企業からも足元を見られる要因になります。

私は2023年初旬にJapanese Speaking Jobのデザインポジション(日系企業のヨーロッパ本社)に応募し、面接の時に「お給料の交渉」と「社内でのキャリアパスの確認」をしようと思ったところ「キャリアパスやお給料はともかく、同じ未来を見れる人を採用したい!」と日本人HRに熱く根性論を語られた経験があります。

その面接で「日本で働いてたなら残業はOKですよね?ヨーロッパ人やイギリス歴長い日本人はその辺厳しいですから(笑)」と悪気もなく話されて非常に驚きました。

これも根底に「英語が不自由な日本人ならそれでも来るだろう」という考えがあったのだと思います。

あとは別の現地企業の日本マーケット部署で「欧米人は時間外に連絡なくてもOKだけどアジア人は24/7で連絡取れるようにしろ」など、明らかに差別では…というような待遇もありました。

友人の勤めてる企業(外資だけど日本コンテンツを取り扱っている)は「外国人には残業させないのに日本人だけ残業してる…」と話しており「日本人だから」で日本の悪習をこなしてくれると考える体質の企業は複数存在しています。

日本にいた時は英語力がここまで影響するとは考えておりませんでした。が、イギリスは英語力がないと喰われる側になる、そして喰う側はあなたのキャリアパスも未来も考えてないし保証もしてくれない、というのは認識しておきましょう…。

英語力がないと現地企業に相手にされないだけではなく、海外に住む日本人や日系企業からも舐められて搾取される対象になり得ます

そして自分の状況や待遇に納得できなくても「英語が苦手だから雇ってもらえるだけありがたい」と、自己肯定力が低下してチャンスを逃す要因になってしまいます。「海外でのチャレンジ」を食い潰そうと待ち構えてる魑魅魍魎がたくさんいる…悲しいですが2024年の現実です。

※語弊が起きそうなので補足しますが「一部の在外日本人と企業」です。すべてがそうだという意味ではありません。私は実際に日系企業ロンドン支社で働きとても良い経験を積むことができました。なので一概に「日系企業だから・日本人マーケットだから」ではなく企業・経営者によりけりです。

学歴はあるに越したことはない

クリエイティブ職に限った話ではないですが、イギリスはスキルと併せて学歴・職務経歴にある程度の一貫性が求められます。日本以上に学歴社会です。

求人の中には「職務に関係のある学位所持者」と条件化されていることもあり、できれば関連学部卒以上を所持していた方が強いです。

候補者がUKの有名大学もしくは世界的に名の知れた大学だった場合、やはりプラスになるようで「新しい子、◯◯大卒です」「この学部は優秀ですね」と、大学名・専攻学部もチェックされています。

入社後「私は日本の芸術学士(Bachelor of Arts)しか持っていないけど、どのような評価だったの?」と採用担当者に聞いたところ(将来、院にいくか迷っているため参考にしようと思い)

採用担当者

君の場合は美大卒かはチェックしたけど、チームチェックはポートフォリオのみだったよ。学歴があった方が判断はしやすいが、技術職者はポートフォリオが第一。高学歴であってもポートフォリオがダメなら採用しないし、どんな学歴でもポートフォリオもしくは職歴が素晴らしかったらそれでOK!

とのことでした。
※チームチェックは複数の候補者のポートフォリオを制作部署のメンバーがチェックし篩にかけること。

日本の美大でも「ポートフォリオに喋らせろ(=ポートフォリオが良ければ勝手にそれが自分を売り込んでくれる)」とよく言われていましたが、それはイギリスの一部企業でも一緒のようです。

職種が違う同僚(採用にも携わっている)は

同僚

ソフトスキルが重要な職種(事務職・経理・人事など)になるにつれ学歴はより重要になってくる。素晴らしい職歴があるか、職歴がない場合は優秀な成績を修めた院卒以上でないと、その時点でチャンスはかなり少ない。

と言っておりイギリスの学歴社会っぷりを垣間見ることも。

デザイナーはポートフォリオで学歴を覆すことが出来ます。でも企業の中では学歴がないとそもそもポートフォリオを見てくれない所もあります。

なので、イギリスの学位を持っていない・関連学部卒ではない場合はカバーレターやCVで違う部分(職歴やどういうプロジェクトに携わってきたか)などをアピールし、ポートフォリオへアクセスしてもらうよう対策が必要だと感じました。

関連学部卒ではない・大卒ではない・完全未経験の場合、イギリスでオンライン集中コースなどを受講してそれをCVに載せることもできます。イギリスではキャリアチェンジする場合、働きながらオンラインコースや夜間学校に通いそれを基に転職活動することはポピュラーです。

コース終了後に就職サポートを行っている機関も多いので、もしクリエイティブ系の学歴職歴がない場合はどんなコースがあるのかググってみてください。

職歴(社会人経験)があると海外就活の難易度は下がる

ローカルの人は在学中や卒業後にインターンで職歴を作り、その後本格的な就活に挑戦する人の多いです。とにかく初めの「職歴」を作るのが大変なので、在学中にインターンで実績作り→フルタイム就活に挑戦と段階を踏むようです。

ローカルの方々はビザの心配もなくコネを使ってインターンのチャンスも掴みやすいかもしれませんが、外国人はビザ期間に制限があったり、コネがなかったり色々な面で不利です。

在外日本人が「まずは日本で職歴を積んで海外に挑戦した方がいい」と、新卒の方や職歴がない方に勧めるのはここにあります。自分より有利な条件を持っている人たちがゴロゴロいる中で、企業側に「絶対この候補者がいい!」と思わせる差別化された強みを持とう、ということです。

2024年からYMSビザが先着6000人になったことで、以前のように「当たるかわからないけど年齢制限もあるしとりあえず応募する!当たったら行く!」という博打を打たなくて良くなった分、日本でしっかり経験を積んでイギリスで挑戦しやすくなると思います。

そして日本企業の教育制度で習ったこと(データ制作する上で誰でもわかりやすいようレイヤーを組む、メールで必要な情報の書き方、ワークフローの組み方など)はイギリスでも必ず役に立ちます。

「そんな装備で大丈夫か?」と常に自分に問いかけましょう。学歴・職歴・英語力はいわば装備、現地就職というボスを倒しに行くために必要なものです。

ゲームでも会心の一撃で思わずボスを倒せることもあり(=装備が不十分でも現地就職できる人たちもいる)ますが、大抵の場合装備の調整を怠るとボコボコにされてクリアできません。

でも今後は新卒海外就職も主流になってくるかも?という明るいニュースをみつけました。

参考:Z世代、女性に広がる海外就職 「私たちは待たない」

 

今現在、学生で職歴がない場合

前述したように日本で職歴を積むのが良い…といっても、新卒で現地就職したいという方も多いと思います。

その場合はイギリス現地でIntern・Trainee Job・Apprentice・Assistantなどのポジションを狙って経験をまず積むこともできますが、以下のことを認識して挑戦する必要があります。

  • 上記ポジションも凄まじい競争率でなかなかゲットするのが難しい
  • お給料が高くない(もしくは無給)ので、実家暮らしのローカル民はいいけど一人暮らしでイギリスでやりくりしていくのは貯金がないと厳しい。貯金があっても円安なので辛い。
  • 期間限定のビザの場合、上記のポジションに時間を使うことでビザが残りが少なくなり、Graduate ・Entry・Juniorレベルへのアプライが難しくなる。
    ※前述した通り、就労ビザ発行条件の給料額的に新卒・エントリーポジションでビザサポートを得るのは難しい。

私の勤務先にも早い子は学部1回生からインターンに来ていました。「○○さんの友達の友達の娘さん」「卒業校の後輩」など大体はコネ。

大々的に求人ポストで出しているのではなく、知り合いに頼まれる→マネジャーに相談→マネジャーがOK出せばインターン採用、という感じでした。なのでオンラインで応募するのと同時並行で、コネやネットワーキングでチャンスを掴めないか模索するのもありです。

企業にもよりますがデザイナーのインターンは「将来的に仕事探しの時に有利になるように」プログラムを組みます(実務に携わってもらい、CVやポートフォリオに掲載できるよう配慮する)

現地の学生がそういう武器を在学中に用意している中で、それに太刀打ちできる経験・職歴・学歴がないままだと、希望職種を得るのに苦労するだけでなく、お給料や待遇の選択肢が狭まってしまうのは想像に難くありません。

若い勢いで状況を打破できることもあるかもしれませんが、ビザが絡むのであれば卒業直後の進路は長い目で慎重に考えることをオススメ致します。

余談ですが…コネできた学生の中には「自分は別にインターンに興味ないけど親がやれっていうし」みたいな方もいて、血眼でチャンスを掴もうとしている人がたくさんいるのになんだか不公平な世の中だなあと虚しく感じたことも…。

メンタルケアと生活基盤を崩さないようにする

自分を追い詰めないようにする

リクルーターの話やLinkedinの書き込みを見る限り、イギリスが不景気のためジョブマーケットの動きもあまり芳しくない様子。ローカルの人でも就職活動は半年以上はザラ、長期化している人も多いようです。

手応えがない時間が続くと、今まで希望を見出していた「海外で技術職はどうにかなる」という言葉が今度は自分を追い詰めてくる言葉になります。

思考回路

技術職者(=海外就職が比較的安易と言われているのに)が、就職難民になっているという現実。自分の技術は海外では通用しないのか?自分の実力は終わってるのか?技術を使ってもう働けないのか?日本に帰る?どうしよう?日本で仕事が見つかるかもわからないし…円安だから帰ったら海外へ行く選択肢が難しくなるかも…才能がないのか…自分自身を信用できない時間が続く…

と、グルグルグルグル…就職活動中、心身の健康を保つのは難しくて同時にとても大切なことです。

お金がなくなってきても、ビザのことがあっても、他の職種へ転向する勇気や情熱がない…やりたいことが決まっている人・好きなことを仕事にしたい人・技術を持っている人ならではの苦悩と向き合うのはしんどいし、八方塞がりになりやすいです。

私は就活中は以下のことを意識して生活していました。

  • 生活基盤を崩さないようにする。
  • 昼夜逆転しないようにする。朝起きて夜しっかり寝る。
  • 自炊で健康的なご飯を作る、出来たら誰かと一緒に食べる
  • 太陽を浴びる時間を作る。外の空気に触れる。
  • 人と話す、たくさん笑う機会を作る。
  • 就活しない日を作る。休むのも大事。メリハリをつける。
  • 定期的にポートフォリオを見直し足りない部分は自主制作で補う。

こうやって書くと「当たり前のこと」なんですが、就活中ってちょっとしたことでバランスが狂うので意識的に精神ケアをする必要があります。

「なぜイギリスか」の軸を作る

海外生活はトラブルや辛いことが続くと

迷子
なんで私はこの国で頑張っているんだろう?もし日本にいたら友達も家族もいるしビザの心配もないのに…
迷子
自分は一体ここで何をやっているんだろう…

と、軸が乱れて精神的にしんどくなります。

前述した通り、求人に応募しても返事が来る事すら稀な国で、返事が来たとしてもUnfortunately〜ばかりだと「なんのためにイギリスにしがみついているんだろう?」と、このスパイラルに陥ると本当に厄介です。

私は2023年に就活が難航した4ヶ月間は「日本ならなあ…」と何度も思いました(※実際問題、日本で職が見つかるかは別として)

仕事=趣味だったので、今後その趣味で生きていくのが難しいかも…と人生で初めて危機感を持ったからです。他の職種の経験も知識もないので転向も難しいし、魔法の力が弱くなった時のキキちゃんの気持ちがやっとわかりました。

イギリスで会う日本人で「イギリスの◯◯が好きすぎてここにいる」という方々はこのスパイラルに陥りにくいように見えます。

サッカー・ミュージカル・イギリス人俳優・歴史…ジャンルはいろいろですが「仕事以外でイギリスに固執する理由」がある方は、多少何かあってもその好きなものが盾になって踏ん張りやすいのかも。現地就職はその理由を追いかけるための副産物みたいな。

物価も高いし不景気で求人数・住居数も足りていない・不便も多いイギリスに「なんで住むのか?」は一度深掘りして自分の中で軸を作っておく方が良いです。

何事もなく楽しく過ごせたらいいですが、不遇が続いた時にその軸は自分を守ってくれる存在になります。



人と比較しない

ネットの海に出れば

人様
  • 海外で未経験業種に就職成功!
  • 英語力ゼロで現地企業から採用!
  • 新卒でヨーロッパ就職!
  • 経験がなかったけど持ち前の明るさで状況を打破!

…みたいな輝かしい動画やブログ記事、SNSの書き込みが出てきます。同じ日本人が海外で活躍しているのは励みになりますね。

しかし、自分自身が行き詰まっているときは「あの人にはできて自分にはできない」と比較対象となって自分を苦しめる可能性もあります。

逆に海外就職挫折や致し方ない理由で海外生活を諦めた人々の体験記というのはあまりありません。

それらは表面化しにくいから認識できないため、結果としてネットには成功例がたくさんあってまるで自分以外の日本人はみんな成功しているような錯覚を起こしやすいです。一種の生存者バイアス。

落ち込みが激しい時期は意識してデジタルデトックスし、精神のバランスをとりましょう。

2024年 就活時のスペックとイギリスで現地就職できた理由

あまり参考にならないかもしれませんが、2024年の就活時のスペックは以下です。

  • 日本で美術大学、デザイン科・専攻イラストレーション卒業(学士号、Bachelor of Arts)
  • 実務経験は日本2年、イギリス6年。
  • 大学4回で1年半ロンドンに留学。語学学校の後現地美大のショートコースでデザインを専攻。
  • 日本でゲームクリエイターの経験を積んで移住。
  • ビザは永住権。
  • ネイティブには「意味はわかるけど独特の英語を話す」と評されているので、英語力は高くない。

イギリス現地就職できた理由① 運とタイミングが良かった

これをいったら元も子もないだろ!という感じはありますが、運とタイミングは本当に大切です。むしろこれがなかったらどんなに素晴らしいCVや経歴があっても就職は難しいです。

2023年に仕事探しをしていたときは4ヶ月間(春夏のホリデー期間)全く成果がなかったのに、2024年冬に仕事探しをしたときは…

  1. 月曜日にIndeedからアプライ
  2. 火曜日にオンライン面接の連絡がメールで来る
  3. 水曜日にオンライン面接
  4. 木曜日にオフィスでオンサイト面接(のはずが、その場で採用を告げられてオフィスツアー)
  5. 金曜日に手続き関係完了
  6. 翌週月曜日から勤務開始

と、トントン拍子に進み年明け1週間で就活が終わりました。

企業が求人を出したタイミング、それにすぐアプライしたこと、年明け早々だったので就職活動をしている人が普段より少なかった可能性もあります。(それでも後で確認したら採用1枠に400人の応募がありました…)

12月初旬に前職でレイオフが発表され、クリスマス休暇もあったのでポートフォリオやCVアップデートに時間をたくさん使えたのも功をなしました。通常勤務したままだと使える時間が限られるので、レイオフも結果的にはプラスに働きました。

前述したように就活する時期も結構影響してくるので、常にアンテナをはって運を逃さないよう動くのも大切。決まるときは決まるし、決まらないときは全然決まらない…運ゲー要素は強いものの、出来ることをコツコツやって運を味方につけましょう。

イギリス現地就職できた理由② 日本での職歴があった

※新卒や経歴なしでも海外就職されている方はたくさんいるので、この部分は特に一例として読んでいただけたら幸いです。

私は天才的才能がある人間ではないので、新卒のままイギリス移住してもデザイナーにはなれないだろう、しかも根性も臨機応変力もないからすぐ挫折するだろうな〜と思い、大学卒業後は日本でゲームクリエイターとして2年経験を積みました。

日本の労働環境(忖度文化・長時間労働・クリエイティブ系は低賃金・年功序列)が怖すぎて、卒業後すぐにイギリスに行きたかったのですが…しかしながら、良い会社にあたり経験も積めて結果オーライでした。

この時の企業ブランドがイギリスでも通用するものだったため、今でも面接で必ず話題にあがります。その企業が作ったゲームが好き、というカジュアルなものから、デザインコンセプトなど専門的な話題まで、とにかく面接中の話題に困ることがないです。

特に私はイギリスの大卒・院卒は持っていないのとネイティブに勝てる英語力もないので、それをカバーできる経歴が必要でした。

なので、将来的に海外に出ようと考えている方は逆算的に…

  1. 自分の狙っている職業(企業)のジョブディスクリプションをたくさんチェックして頻出キーワードやソフトウェア名を書き出す。狙ってる企業のデザインの傾向を調べ、そのデザインに近い制作ができそうな企業も探す。
  2. そのキーワードやソフトウェアを経験できる日本の企業で経験を積む。
    ※日本の古い企業体質にアレルギーがある方は、自分にあう社風の企業を選びましょう。
    ※できれば3年以上の経験があれば強いです。私は2年だったのですが、せめて3年積めばよかったと思いました。
  3. 携わったプロジェクトについては事細かに記録を残す。数字的な結果や制作中のプロセス、自分がどのように貢献したかなど、後々ポートフォリオや面接時に話すことの材料となる。
  4. 日本で就業中もイギリスでの職探しアンテナを張る。定期的に求人サイトをチェックし、求められているスキルやソフトウェアが変動していないか、業界の景気をチェックする。景気によっては違う業界も視野にいれジョブディスクリプションを読み込む。

いわゆる下積み期間になるし「早くイギリスに行きたい!」と気持ちは焦っても、日本企業での経験で自信をつけることができれば海外就活が難航してもそれが軸となり精神的にブレにくくなります。

幸運なことに日本は世界に名を馳せる企業を何社も有しています。大企業じゃなくともニッチな製品や技術面で業界内に名を轟かし、良い経験を積める中小企業も多数存在しています。

ジョブディスクリプションを照らし合わせながらそういう企業で経験を積み、他の候補者と自分を差別化できる武器を得るチャンスが母国にたくさんあるのは本当にありがたいことです。

日本で経験を積むのは遠回りに聞こえるかもしれませんが、私のような「イギリスの学位もなく英語が不自由でスキルがイギリスで通用するかわからない外国人」が職歴を持つのは、結果的に就活の選択肢を広げるのに大きく役立ちました。

人間・景気・国のルールは常々自分を裏切る可能性がありますが、自分が気張って身につけた技術や経歴は絶対に自分を裏切ることはないです。

自分のスキルや経歴を棚卸して「ネイティブとの競争に打ち勝てるか?」は移住前に今一度考える価値はあると思います。

イギリス現地就職できた理由③ 絵が描ける

自分でも意外だったのですが、絵(イラストレーション、コンセプトスケッチ、デッサン)を描けることがものすごく評価されました。

イギリスではデザイナーといえど絵が描けない人が多いらしく、コンセプト段階でのスケッチや完成度が絶対なアウトプット制作に描写能力は高く評価されます。

「絵が描ける」はイラストレーション制作やドローウィングスキルもありますが、モチーフへの解像度の高さで制作がスムーズにいく事も大きな評価対象だそうです。いわゆる遠近法や構造理解の知識ですね。

デッサンの経験がある人はモチーフの素材や構図配置、どのように作られているか考え、どのポイントを作品に落とし込むか考える癖がついており、この構造理解力は大きな強みになりえます。
※逆にイギリス人デザイナーは発想力・アイデアの瞬発力が段違いなのを感じるので、これは教育制度の違いが顕著に出る部分だと感じます。

なので「絵が描ける」は評価してくれる企業からはかなりプラスに見られる&日本の教育制度(美術高校・美大へ進学した方)で鍛えられたスキルはローカルの人たちとは違う強みとして就活に活用することが可能です。

イギリス現地就職できた理由④ デザイン以外のスキルがある

ロンドンの日系企業でデザイナーをしていた時に、デジタルマーケティングの経験を積むことができました。

その企業にマーケターがいなかった(本社にはいたけどロンドン支社にはいなかった)ので、デジタルマーケティングを勉強し始め企画、実践、分析、レポート…を繰り返していました
(このブログも元々はその練習用で作ったものです)

その時に数字的に大きな成果を何度か上げることができたので、それをCVに書いたところ面接の時にデザイン+マーケティングの知識があると大きく評価されました。

多くの企業にマーケターはいるものの、デザイナーがマーケティングの知識を持っていると企画や相互理解がスムーズにいく、また企画立案に参加できるなど「デザインスキルのみのデザイナー」に勝るポイントとして加算されたようです。

日系企業の「本業以外も業務としてやる文化」はどうなのかなあ、と思っていましたが結果的に自分のスキルアップに繋がった&デジタルマーケティングは楽しいので、良かったなと思います。

ちなみにこのブログも、ワードプレスを自分でセットアップしグーグル検索上位に何点か記事があるも面接の話題になったので、お時間がある方はブログを含むSNSで情報発信する経歴を作るのもオススメです。

イギリスで仕事探し、後悔のない選択を!

色々「うるせえ〜!!!」と思われそうなことを書きましたが、イギリス就職は悔いのない選択に繋げるためにどれだけ時間と労力を費やすことができるか、時間と労力を費やす間の資金と精神力はあるのか、だと思います。

海外就職の成否はさておき、自分が今まで何をやってきたか、自ハード・ソフトスキルを一度棚卸しして自分自身と向き合う経験、海外でそれをする事は今後の人生で必ず大きな糧になります。

この記事の中でも何度も書いてきましたが、例外はいくらでもあります。学歴経験ビザ英語力すべてがなくても理想の仕事をしている人は世界中にいます。でも、自分の状況を他者と比べるより今できる自主制作やCV改善に集中し就職活動がんばってください!

今、出口のないトンネルを彷徨っている気分の方も、明日はトンネルを抜けるかもしれません。日本人デザイナーは海外でも通用するスキルやワークフローを持っています。入社するまではしんどいけれど、入社したあとは日本とはまた違う環境でのクリエイティブ職を楽しんで下さい。

イギリスでデザイナーになりたい方々へ

イギリスに住んで数年経ちますがイギリスで企業勤めの日本人デザイナーに中々エンカウントしません。

最近、友人に誘われて行った関西会というミートアップで企業勤めのグラフィックデザイナーと出会ったときに「企業勤めの日本人デザイナーって中々会わないですよね、フリーランスの方は時々いるんですが…」という話になり、クリエイティブ系で就活/従事している日本人はいるけど知り合う機会が少ないのかなと感じました。

その後、日本人デザイナー同士で面接の相談や勤務先に空ポストがないかなど、色々繋がりが生まれて他の国籍の方々がやっているように日本人同士、そして同じ職種の者同士助け合いができるのはいいなあと感じました。

もしこの記事を読んでいるクリエイティブ系の就活を考えている方や悩んでいる方がいましたら、メールフォームからご連絡いただければ、できる範囲でお力になります。

私も職種は違えど在英日本人の方々にたくさんアドバイスをもらい、CVをアップデートする度にチェックをお願いしていました。多くの人に支えられて現地就職することができたので、恩送りをできたら幸いです。

というわけで、また別記事でCV・カバーレター・ポートフォリオについてシェアします!