海外生活のなかで恋しくなる日本のもの17選

アメリカに住んでいた経験のある大学の先生から「海外に住んでいる日本人はある日、このままハンバーガーを食べる生活が続くのか、とうんざりしそこで半数の人が帰国を決意する。それが引き金になって日本の有難みに押しつぶされるから」と言われた事があります。

イギリスと日本を行き来する生活を初めて10年、この言葉に対して最初は半信半疑だったのですが海外生活が長くなるにつれ「そうかもしれないなあ」と思うことも増えてきました。

実際問題として本帰国するかどうかはともかく、海外に住んでいると「日本っていい国なんだな」と感じることが多々あります。

つらつら書いてたら物欲あふれる記事になりました。

海外に住んでシンプルな持たない暮らしを謳う人もいれば、私のように四六時中「あの漫画の新刊が…ゲームのイベントが…限定グッズが…コラボカフェ…」など寝言のようにつぶやくようになる人もいる…というか元凶はすべて自分のオタク体質な気が…。

便利でたのしい、コンビニ

空港についたらまず直行するのがコンビニ!バラエティー豊かな品揃えは長距離飛行の疲れを癒やし、日本に帰ってきたなあとしみじみ感じます。美味しいものやほしいものがあんなに簡単に手に入るとはありがたいことです。

学生時代、徹夜で課題をしているときによく深夜のコンビニへ行っていました。店内を物色し雑誌を読んだり、紙パックドリンク、ホットフードやコンビニブランドのお菓子を買ったり…深夜のコンビニは気分転換に最適でした。

今考えたら深夜に女性が自転車でぷらぷらとコンビニに行けたのも日本の治安の良さのおかげです(今はどうかわかりませんが…)

日本に行ったことがあるもしくは住んだことがある外国人も何が恋しいかといえばコンビニをあげる人は結構多いです!日本だから温泉とか旅館とか伝統文化とか…とも思うのですが、コンビニの印象は日常に溶け込んでいるからこそ強烈に残るのかもしれません。

ブリトラというユニットが歌った「コンビニ」という曲を昔は笑って聴いていましたが、海外では身にしみるようになりました笑。

冬は特に恋しくなる、自動販売機

日本にいる時はその便利さにちっとも感謝の念がなかった自動販売機。

冬、屋外にある駅のプラットフォームで電車を待っている時「寒いなあ、自動販売機であったかいコーヒー買えたら良いのにな…」と毎年思います。飲んでも美味しいし、手を温めることもできるし、何より駅のひんやりした空気の中飲む温かい飲み物は精神的な贅沢感を感じられます。

日本に戻ったら毎回コンビニに走るか自販機があったらついつい何か買ってしまい、そして夜の道に佇む自動販売機の光をみるとなんだか安心します。

なんとなく思い出す、電車の思い出

高校進学と同時に電車通学になり、社会人になっても電車通勤…一日2時間以上を電車の中で過ごす日々を送っていたせいか日本に住んでいる間利用していた阪急電車と、大学時代お世話になったJR東海道本線が時々異常に懐かしくなります。

特に阪急電車は冬になると足元が温かくて深緑(ゴールデンオリーブというらしい)の椅子はふかふか、落ち着く木目調の車内で本を読んだりゲームをしたり熟睡したり、色んな国の鉄道に乗ったけど阪急電車が一番好きです。

これは阪急電鉄への懺悔ですが…私は日本にいる時、定期入れに1000円札を常にいれていました。1000円あれば関西のだいたいのところから家まで帰れるので、うっかり手持ちが無くなった時用です。友達と遊び倒し家に帰ろうと梅田駅の券売機の前で家までの電車賃がない事に気づきました。でも1000円あるからダイジョーブ、と思ったら1000円札がありません。

前に漫画を買うのに使って補充するのをすっかり忘れていました。キャッシュカードもクレジットカードも持っていない学生時代、深夜だから親にも頼めず梅田近辺に住む友達にも泊めてくれと言いにくい…

途方に暮れつつ梅田駅の駅員室で「お金が無くて帰れない」旨を話すと電車賃を貸してくれました。

駅員さんは「若い娘がこんな時間まで遊んでしかも帰れないとは何事か!」と小言をこぼしていましたが、本当に助かりました。阪急電鉄さんが今も帰れなくなった私のような者にお金を貸しているのか、駅員さん個人が判断して貸してくれたのかわかりませんが…。

他にも切符を何度か無くしたり、貧血で倒れたり、改札機に間違って違うカードを入れて詰まらせたり(当時はまだICカードではなく磁気定期券だった)阪急電鉄さんには本当にたくさんの迷惑をかけてしまいました。

こんだけ阪急電鉄について書きましたが良い写真がなくて、写真はJR高槻駅です。
JR東海道本線では大学の課題が間に合わずボックス席でガリガリ絵を描いたりこっちはこっちで色々思い出がありますね…。

パブも良いけどやっぱり懐かしい、居酒屋

美味しいビールとフィッシュ・アンド・チップスも良いけれど、焼き鳥やなんこつ揚げ、やみつききゅうりや刺し身にパスタ…居酒屋のご飯が食べたくなります。

メニューに載ってるの全部ください!って言いたいくらい美味しそうなラインナップ、席に設置された注文機械を使えば店員さんと呼び止めるストレスもないですし、居酒屋によってテーマ(九州居酒屋とかシーフードとか)も様々でどこへ行くか悩んだりも楽しい!

逆にイギリスに住んでた日本人が日本へ帰ると「イギリスのパブが恋しい、待ち合わせ時間のちょっと前にお酒が飲めるところが中々日本にはない」と言っておりました。

割り勘が楽ちん、飲み放題

下戸とザル両方のお会計を楽にする飲み放題システム。
飲み放題であれば、支払いのときにお酒によって全く計算できない酔っぱらいたちの尻拭いを下戸の人がするという申し訳ない状況を回避できる事が多いので、お酒で頭がぼんやりしながら会計している時に「飲み放題であれば…」と時々思います。

あと飲み放題だとよくわかんないお酒や聞いたことない謎のお酒にも気兼ねなくチャレンジできるのも、カクテルの品揃えが豊富な場合が多いのも嬉しいですね。

いつでも食べたい、焼肉

他人の金じゃなくて自腹でいいから焼き肉食べたいんじゃ~~!!!!

季節限定の飲み物や食べ物

日本は季節限定品が本当に多いです。

コンビニへ行けば秋りんごのリプトンやら、京都へいけば栗の八ツ橋、春になれば桜フラペチーノのスターバックス、夏になれば新作のサイダー…桜や紅葉をわざわざ観光地に観に行く元気はないのですが、コンビニやスーパーマーケットやコーヒショップのラインナップで「ああ、秋だなあ」「もう夏かあ」と季節を感じる事多々!

そしてほとんどの商品が「冬が終わっても売って欲しいなあ」と思うくらい美味しいので困ったものです。

イギリスは自然(それこそ木々の色や風の冷たさなど)で季節を感じる事が多いですが、日本は人工物で季節を感じる事が多かったです。自然で季節を感じた経験が少ないのはひきこもっていた結果なのかもしれませんが、この人工物が多種多様なのでどの季節も楽しかったなあ…。

イギリス進出待っています、つけ麺

一風堂や金田屋などイギリスもラーメン激戦区と呼ばれるエリアが出来るほどラーメンはポピュラーなものになりました。個人的には一蘭が進出してほしい…!

しかしつけ麺はなかなか食べる事ができません。私はつけ麺が大好きなので一時帰国中スキがあればつけ麺屋へいく機会をうかがっています。

イギリスでも昔食べれるところがあったのですが閉店してしまい、しかも結構高かったので日本のように数百円で食券買ってカウンターにだしてサッとたべてサッとでていける硬派なつけ麺屋できないかなあと心待ちにしています。

特に三田製麺所と煮干しラーメン玉五郎、イギリスに進出してくださいーー!

一日中遊んでられる、大型電気量販店

よく行ってた梅田のヨドバシカメラを例にすると、家電、本屋、アップルストア、貴和製作所、フィギュアやゲームコーナー、服屋、レストランなどなどこの建物の中で欲しいものは全部手に入るのでは!という気持ちになるほど充実している家電量販店。用事がなくてもついつい寄ってしまいます。

イギリスにも家電量販店はあるもののあまり行く機会がありません。次日本に帰った時に買おうと先延ばしにしたり、ネット通販で購入したり…なぜ日本であんなに家電量販店に行っていたのかと思うのですが一時帰国したら走って入店してしまいます…。

新刊発売ディスプレイや店員さんの手書きポップ、本屋さん

日本にいた時に「世界の素敵な本屋さん」的な本を読んで「ああ~美しいなあ、日本にもこんな本屋さんがあればいいのに」と夢見がちな事を思っていましたが、毎月漫画も雑誌も小説も凄まじい量が発行され店員さんの熱いオススメポップが至るところに踊り、何時間いても楽しい日本の本屋は海外生活で恋しくなるものの上位に入ります。

イギリスにも日本の書籍を取り扱う本屋はあるものの輸入するのでやっぱり高い、現地の本屋は英語の本を買うのは良いけどやっぱり日本語も読みたい!漫画や小説などはキャラクターの一人称や口調でキャラクターに印象も変わってくるので、日本語版がほしいです(同じ理由でゲームも英語でプレイできない)

きれいな内装や歴史ある本屋さんも魅力的だしネット通販で簡単に本が買える時代ですが、読みたい本、興味がなかった分野を知るキッカケをくれる日本の本屋さんが本当に恋しいです。

ちなみに海外在住者の強い味方電子書籍!一応アカウントをつくったものの、電子で読んで気に入った本を日本に帰ったときに紙で買うという出費が嵩むことを何度も繰り返したため、電子書籍は教本など「紙では買わないけど読みたい本」専用になりました。

オタクなので好きなものは並べたいというこだわりが仇となり、まだまだ本屋さんにべったりです。

特に梅田の丸善ジュンク堂、紀伊国屋はやばい。最高です。

コミケと薄い本

1年のスケジュールはすべてコミケとインテ、および原稿制作で決まっていってたのに1年の基準にするものがなくなり、原稿締め切り前の人間を捨てた生活(ツイッターで進捗情報とか…さぎょいぷとか…)とコミケの高揚感は懐かしいしすごく恋しい。

ロフトにハンズ、ABCクラフトなどの雑貨店やクラフト店

プレゼントやちょっとしたものを買いに行ったり、待ち合わせまでの時間を潰したり、何となく立ち寄って楽しいのがロフトや東急ハンズ、手芸用品店のABCクラフト(全国展開してると思ったら天王寺と枚方にしかなかった…)特にマトリョーシカの木材が手に入るABCクラフトにはお世話になりました。

他にも梅田駅内にあるTools、新宿の世界堂など画材屋さんも恋しくなります。油絵用品にコミック用品、コミケのカタログにデッサンの教本など日本の画材屋は色んな制作に開けていると思います。

ちなみにLOFTは外国人を連れて行くと便利グッズコーナーなどがめちゃくちゃ受けるので、どこ連れて行くか悩んだ時にオススメです。

イギリスにはホビークラフトというモノづくりが好きな人にはたまらないお店があります!ただ郊外にあることが多いので、繁華街にあると助かるけど土地の関係や需要数で難しいのかなあ…。

このクオリティでこの値段、100円均一

値段的に手軽に買えたり、どこに売っているのかよくわからないものも揃えてあったり、最近ではセリアなどクラフト系やオシャレなデザインを展開するところも増えて、毎回一時帰国のときにあれこもれも!と買ってレジで恐ろしい金額になります。

イギリス生活で「これ日本なら100均で手に入るしクオリティも100均のが良いかも…」という事が何度もあります。特にペンやバインダー、クリアファイルなどの文房具類は重宝します。

多機能&清潔なトイレ

イギリスに住むまでウォシュレット付き便座が温かいトイレは世界スタンダードだと思いこんでいました。TOTOさんが世界のトイレを牛耳っていると、疑わなかったのです。

イギリスは特に寒い国なので、最初便座が温かくないトイレが主流だとしった時は非常に驚き、朝の冷たいトイレは恐怖の対象でした。
またレストランやパブは地下にトイレがある事が多く、かび臭かったり多少の潔癖症を持っている人は衛生面で心労が募ります…(私はトイレにいくときは息を止めて、制汗剤を振りまいてから利用するという大変不便な状況になっております。)

知り合いのイギリス人は日本に住んだあと、イギリスに戻りウォーシュレットがないためトイレのあとかならずシャワーを浴びないと気がすまない!という状態になってしまい(これを考えると清潔を追求しすぎるのも問題かもしれませんが)結局お金をためてウォーシュレットを設置していました。
ウォーシュレット、音姫、その他色々な機能がある日本のトイレ…TOTOさん始めトイレを研究し続ける人々の情熱を感じます。

足のサイズが小さい人は大変、靴屋

足のサイズが22cm以下の人は好きなデザインがあってもサイズが無く買えない事が多々あります。靴のサイズを伝えると「子供靴であれば…」と案内されたことも!
意外にPRIMARKは小さいサイズもしっかり取り揃えているので便利です。

色んなジャンルの食べ物を楽しめる、ファミレス

毎回一時帰国の時に行こうとおもいつつ中々行く機会がないファミレス!
ファミレスといえば友人と同人誌のネタだしをしたり、一無配を描いて出来たものをそのままカンプリに印刷しに行ったり、とにかく同人活動と密接に関係した思い出がたくさんあります(オタク特有の思い出で申し訳ない)
ドリンクバーとちょくちょく食べ物を頼みつつ、ちょっとガヤガヤした空気はものを考えたり、制作の下準備をするのにピッタリでした。

かっこよくマックを開いてスタバのフラペチーノを飲みつつスタバで作業、というのもかっこいいですが、同人誌や制作系のネタだしは紙を結構広げるのでファミレスのテーブルは最適でした。
漫画のあとがきでもファミレスでネタだし作業している漫画家さんの話があったり、飲み食いが簡単に出来る(制作中もっとも疎かになる食生活)+集中しやすい+作業に適したテーブルの大きさが揃っているのかなと思います。

忙しい時間帯に長居はダメですが、平日昼間や深夜の人があまりいないファミレスはテーブルごとに何かしている人がいて、今で言うコワーキング・スペースのようでした。そしてどんなに緑が飾られ、美味しいラテが飲めて、オシャレなエリアにあるスペースよりファミレスのほうが作業がはかどります。基本的におしゃれな空間が苦手なのかも。

必死こいて下書きを描いている横でねずみ講やマルチ勧誘をしている人がいたり、なんだかカオスで面白かったです。

こだわりを楽しめる、純喫茶

イギリスにもカフェはあるけどふわふわの卵サンドとかフレンチトーストとか、昭和の色が残るフルーツポンチとか、そういうのが無性に食べたくなることが。
純喫茶ではないですがカラフネヤみたいなパフェを軸に食事のバラエティーも富んでいるカフェも…。

やっぱり日本は楽しい!

日本の友人に一時帰国を伝えると「●●っていう有名なレストラン連れて行くよ」「☓☓っていう新しい名所が出来たからそこへ行こう」と、長い距離をかけて帰ってくるのだからと色々考えてくれるのですが、恋しいのは日本で生活してた頃に当たり前に存在したものばかりで、それを伝えると「そんな事でいいの?」と毎回驚かれます。

今回上げたもの以外でもよく話のなかで「あああ~~!それほしい~!日本帰りたい~!」となるので、また1年ぐらいたったら同じテーマで記事を書いてみようかな。

11月末に日本に研修で帰国するので今から楽しみです。