【Netflixドラマ感想】懐かしい&新しい「Stranger Things」が面白い!

この記事にはネットフリックスオリジナルドラマ「Stranger Things」のシーズン1,2,3のネタバレが含まれます。写真はすべてイメージ画像で作中のものではありません。

同僚に勧められて見始めたストレンジャーシングス!ネットフリックスオリジナルドラマで評判が良いのは前から聞いていましたが…めっちゃ面白いです!

映画「グーニーズ」と「スタンド・バイ・ミー」に描かれたような子供特有のわくわく冒険感、80年代のきな臭さと目覚ましいカルチャー発展による楽しさ、ニューヨークやロサンゼルスのような大都市ではなく、アメリカの小さな田舎町で起こる不気味な事件、数々の80年代カルチャーが逆に新鮮!

同僚が「とにかく観てくれ!!」と言ってたのが今ならわかる、説明なしに人に勧めたくなるそんな作品です。

今までネットフリックス・オリジナルは全然見てなかったのですが、クオリティの高さに驚き!
ルポールとアニメを見るのがメインだったけどもっといろんな作品もみてみようと思います。

自転車に乗って駆け回る仲良し4人組と、小さな町の怪奇現象

このドラマは登場人物が結構いるわりにみんなキャラがたっていて、みんなどこかにいそうな現実感があります。見ていると自分も舞台となる町ホーキンスの一員のような気持ちになります。

メインキャラクターである4人の少年たち、マイク・ルーカス・ダスティン・ウィルは自転車でお互いの家を行き来し、ボードゲームに興じとても仲良し。町の人は全員顔見知り、といってもおかしくないくらい小さな町で、スーパーパワーを持った少女エルとの出会いによって彼らは徐々に「裏側の世界」と、身の毛もよだつようなクリーチャーに関わっていきます。

Boy meets girlの典型ですが、王道だからこその安定した面白さがあります!

まずドラマを見始めて思い出したのが映画「グーニーズ」と「スタンド・バイ・ミー」「E.T」
夏休みになるとかならず放送していた子供が主役の3本、子供の時はワクワクドキドキしながら観ていたのですが、大人になって観ると「こんな損得勘定なしにお互いを信頼できる友達っていいなあ」としんみり…そんな大人になってから響く「友情」がストレンジャー・シングスも見事に描かれています。

今やスマホですぐやり取りできる時代ですが、彼らが連絡手段に使っているのがトランシーバー!ごっつい受話器のようなものを小さな手で持って、無線機通信特有の言い回しで話す様子は何ともロマンがあります。

トランシーバーで呼びあえば自転車に乗ってすぐ友達の家へ、大人になっていつでもどこでも行けるようになった今より、地元で遊び回ってた小学生の時が随分世界が広く感じていたような感覚を思い出します。

魅力あるキャラクターとアメリカの生活が面白い!

マイクの家のベースメントは4人組のたまり場になっており、夜遅くまで遊んで夜道を自転車で乗って帰る描写が何度もありましたが、NYなどの大都市で育つ子どもたちの物語だとこういう光景はなかなかないと思います。

事件もめったに起こらない小さな街で、友達同士の家に気軽にいって、親も子供の友達関係を把握している環境、一昔前の街全体で子供を見守って育てるという感じが何とも懐かしい…

というか、残念ながら私が育った環境はそういう感じではなかった為、懐かしいというより羨ましいという気持ちがどこかにあるのかもしれません。

ただ学校が終わってランドセルを玄関に投げ捨てて、ゲームボーイを握りしめて公園や友達の家にいっていた頃のただただ毎日楽しい、友達がいるだけで幸せだった頃の記憶が何度も蘇りました。

学校ではスクールカースト最下層部にいる4人組ですが、彼らの良き理解者が科学を教えているクラーク先生。
子供たちの好奇心や探求心をサポートする理解ある先生で、彼自身もかなりのナードっぷりですが物腰の柔らかさと、業務時間外に生徒から電話があっても(先生の家に電話をするのも人間関係が密な感じが)真摯に質問に答える様子は、好きなことを突き詰めて、ありのままの自分であること(この場合はいわゆる“オタク”)は悪いことでもないし、間違ってもいないと子どもたちの自己肯定力につながると思いました。

またアメリカのドラマによく描かれるスクールカースト。
マイク達4人組といじめっ子の描写はもちろん、マイクのお姉さんのナンシーとスクールカースト上位のスティーブと取り巻き、ウィルのお兄さんのジョナサン、そしてナンシーの友人のバーバラの描写がめちゃくちゃリアルでした。バーバラは後の両親の描写もすごく悲しかった…。

成長によって変化していく友情

バーバラとナンシーがそうだったように、付き合っていく友人関係や恋心を抱く相手によって、今までもこらからもずっと変わらないと思っていた登場人物たちの関係に少しづつ変化がでてきます。仲良し4人組も例外ではありません。

エルが登場した時ルーカスが過剰にパーティーから排除しようとしたり、マッドマックスに対してマイクは非常に排他的な感情をぶつけたり、周りがボードゲームへの興味を失いつつあるのを感じたウィルが感情を爆発させたり…シーズン1のときにあった誰にも干渉できない4人だけの友情が徐々に形を変えていくのは、仕方ないことだけどなんだか切なかったです。

特に今まで同じことに一緒になって夢中になっていた仲間たちが、徐々に外の世界へ出ていってしまうような(もしくは新しい人間関係によって連れ出されていってしまうような)不安と寂しさを抱えたウィルはみてて辛かった…。彼が行方不明になっている間に人間関係的な成長をほかの3人はしていたし、大人になることは悪いことではないけれどそれぞれのスピードも違うし難しいものだなと思いました。

でもそれとは逆に最初はどうなることやらと思っていたマックスとエルが、ショッピングモールへ買い物へいって服をとっかえひっかえ、ボーイフレンドのことを相談したり、漫画をよんだり…友情を築いていく様子はとても可愛らしかったです。
エルの部屋でくつろぐ2人の前に現れたホッパーに対して「まだなにか用?」と、思春期にさしかかる女の子特有の生意気さと、ホッパーのマイクに強気なのに対してマックスに対してたじたじなのも和みました。

嫌なヤツと思いきや、めちゃくちゃいいヤツ!プロムキング スティーブ

一番好きなキャラクターはかなり迷うけど、スティーブがめちゃくちゃ好きです。

シーズン1の最初はスティーブ!マジで最低~!と思っていましたが、まさかこんな良いキャラクターになるとは!スクープス・アホイの制服姿がめちゃくちゃかわいい…!
ダスティンの兄貴分みたいなところもいいですね、こんなお兄ちゃん近くにいたら楽しかったろうな~。

特にシーズン3に登場する仕事仲間のロビンの関係性がとても好きです。

エルとマイク、ナンシーとジョナサン、マッドマックスにルーカス、まさかの「Never Ending story」を大熱唱のダスティンとスージー…カップルがどんどん成立していくなか、ソ連のアジトに忍び込んだスティーブとロビンがどんどん親密になっていき「やったなスティーブ、これでナンシーを忘れられるね!」と祝福モードが漂っていたなかロビンのカミングアウト。

ナンシーの職場の女性をバカにしている男性たちの描写や時代背景のこともあるので、一気に不安になりましたが…失恋とカミングアウトの混乱のなかでも人の在り方を肯定する姿に思わずホロリ。

シーズン3の最後に、一緒に履歴書をもって職探しをする2人、今までスティーブの友達がシーズン1にでてきたような腰巾着系だったり、プロムキングの名に寄ってくる人たちばかりだったなら、ロビンはスティーブにとって大切な親友になると思うので、カップルになれない切なさを超えて、シーズン4でも活躍してほしいです!

時代も国境も超える名曲!Never Ending Story

蜘蛛のような不気味なマインド・フレイヤーに追いかけられているスティーブ達をのせた車、ソ連のアジトで番号がわからず戸惑うホッパー達、めちゃくちゃになったショッピングモール…
非常にハラハラする展開のなか、頼みの綱であるダスティンのガールフレンドにつながった無線!
状況を知らない彼女の「I want to hear it!」に対して「愛してるでもなんでも言え~!」と思っていたら突然ダスティンの口から聞きなれた曲が、多くの視聴者は目を見開き困惑するエリカとほぼ同じような表情をしたと思います。

二人の歌声に対して何とも言えない表情を浮かべる登場人物たち、危機的状況は脱していないけれど登場人物と視聴者の心が完全に一つになった感覚があって、シーズン3のクライマックスともいえるところで、このシーンを挟むなんてすごいな~!と思いました。下手したら本当に意味不明で滑って終わってしまうけれど、この挑戦心がアメリカドラマの醍醐味でもあると思います!

最初は恥ずかしそうにしていたダスティンも段々笑顔になっていきそれに比例してドン引きを隠せないエリカ。あだ名で呼び合い歌を歌う見てはいけない「二人だけのコミュニケーション」をうっかり見てしまった!という、ある意味交通事故にあったような気持ちになります…が、このシーンは今でも何度も繰り返し見るほどハマりました。

そして一緒に観ていたイギリス人も私も、いつの間にかダスティンとスージーと一緒に「Never Ending Story」を「何なんだこれは!」という混乱と共に歌っていました。
映画を最後に観たのは20年以上前なのに、現代のアメリカが制作したドラマの中の挿入歌として登場し、遠いロンドンでイギリス人と日本人が登場人物たちと一緒に歌っている…名作映画は国境も年代も軽々超えますね~。

シーズン4が待ちきれない!

ビリーの死とホッパーの手紙で最後は大号泣だったシーズン3、次のシーズン公開が今から待ち遠しいですが来年2020年になるようですね…!ロシアのカムチャッカ、気になる終わり方をしたので本当に待ち遠しい!脇役だったエリカもすごくいいキャラでメインキャラに仲間入りしましたし、ロビンも今後かかわっていくのか気になります!

またほかにもエルと同じ境遇の子供たちがいるならストーリーが大きく展開するのかなあ、ホーキンスで起こる怪奇現象という範囲だからこその面白さもある気がするので、どうなるか気になるところです。
そしてシーズン4でティーンエイジャーの登場人物たちの一層成長した姿を見れる日が楽しみです!