海外生活4年目!突然のホームシックと解消法

「ホームシック」

この言葉とは一生無縁であろうと思っていたのですが海外生活4年目にしてかかりました。情緒不安定のオンパレード、周りも困惑し私はいつものドラマクイーンじゃなく本気で悲しんでいたり、今冷静な時に思い返せばかなりカオスな状態でした。

キッカケは一時帰国のキャンセル

ぼちぼちと一時帰国を考え具体的な日付や航空券を決めようとしていた時に、外的要因で一時帰国が無理になりました。

特にキャンセル料がかかったとか、有給を申請した後だったというわけではなかったのですが、その時の「日本へ帰れると思っていたのに帰れない」という気持ちと「イギリスは日本から遠い」という認識が引き金となりました。

その日は会社から帰宅してずっと泣いて過ごし(大げさな表現ではなく、本当にシクシクずっと泣いていました…)「イギリスはやっぱり自分の国じゃないんだ…」など八つ当たりを繰り返し、今冷静な時に考えるとこれから一生帰れないわけじゃないのに、と思えるのですがその時はこの世の終わりかと思うくらいの絶望感でいっぱいでした。

留学時代や移住直前はホームシックにかからず、言語面や文化面でも昔ほどテンパることもなくなったのに、まさか4年もたってかかるとは!そして、大学時代の留学していた先輩が「ホームシックは本当になめたらダメ、本当に辛かった」と言っていたのがやっとわかりました。

美化された日本の思い出と日々辛くなる精神状態

ホームシックになると、とにかく異常なまでに日本が恋しくなります。

この時の「恋しい日本像」は満員電車やサービス残業、少子高齢化など日本の抱える闇の部分は全く存在しない、良い部分のみを寄せ集めた美化されたものです。

「あんな素晴らしい国に生まれながらなぜ、なぜ移住を…」「日本は天国、間違いない」と自分のなかで美化された日本を恋しがり、挙句の果てには「高校生に戻って家族と過ごしたい」「大人になりたくなかった」などピーターパン症候群のような症状もでてくる始末でした。

今この文章を書いている自分も、これを読んでいる方も「ほんとにバカだな~」と思うと思いますが、その時は日本が恋しすぎて思考回路がまったく正常に機能していない状態でした。「日本がフランスと入れ替わったら週末ユーロスターで帰れるのに…」など非現実的な妄想を真剣にしたり、オタクに海外生活は無理だったんだ、と悲観的になったり…。

また美化された日本と共に何気ない日常を恋しがる気持ちも募ります。

親の作ったご飯を食べてダラダラリビングで過ごしたい、友達と遊びたい、阪急電車に乗りたい、梅田のジュンク堂に行きたい、コンビニで烏龍茶とおにぎりとお菓子を買いたい、深夜アニメを深夜に見たい、日本橋でオタクショップをまわりたい、新京極で遊びたい、地元の街を歩きたい、週末東京に行きたい…

また今まで思い出さなかった小さな出来事もふつふつと思いだし、日本および出身地&移住まで暮らした関西圏への異常なまでの望郷の念から、日本に滞在する妄想が無限に湧き出てくる状態でした。
文面でみるとめちゃくちゃ不毛なんですがホームシック中は大真面目に妄想し、そしてとても真摯に悲しんでおりました。文字にすると笑えますが真剣だったんですその時は。

叱咤や正論を受け入れる余裕が全くない

海外留学や移住に関して「中途半端な覚悟で移住するな」「骨を埋める覚悟で」「帰りたければ帰ればいい」などよく言われる事ですが、私の場合はホームシック中は

うるせえ~~~!今すぐコンビニに行きたいんじゃ~~!!骨を埋めるとかそんな先のことまで知らね~~!

と、そういう叱咤に対して全く耳を傾ける余裕がなかったです。
イギリスが好きとか嫌いじゃなくここは日本じゃないんだ、という事実がとにかく重くのしかかって、「そんなことより日本に帰りたいんじゃ~!でもじゃあ帰ればってうるせ~~!」というバーサーカー状態。

あと海外生活も4年に突入して「ホームシックかも…」というと「ホームシック?長く住んでるのに珍しいね」という反応をされたのですが、海外経験の長さ関係なくなる時はなります。

今回「ホームシック 克服」などでググりまくったところ、海外住み始めにかかることが多いようですが一時帰国後などでもかかる事があるそうです。一回かかったらもうかからない水疱瘡的な存在だといいのに、これからの人生まだまだかかる機会があるのか…。

全く説得力がないかもですが、ホームシックにかかった時に実践した事をまとめました。

ホームシックの解消法…結局日本への一時帰国

会社では一応普通の顔をして過ごしていましたが、家に戻ると荒れる日々が続き家人も疲れ果てた頃に、キャンセルとなった外的要因が解決し結局一時帰国が可能となりました。

その知らせを聞いた瞬間、曇天のようだった心は突如晴れ渡り「一体何をあんな大げさに騒いでいたんだろ、日本はいつでも帰れるのに」と手のひらを凄まじいスピードでひっくり返しました。

我ながら現金だと思いますが、結局和食を食べたり、日本のアニメを見まくったり、友達とLINEするより「この日確実に日本へ帰る」という事がホームシックにピリオドを打ちました。

ホームシックから学んだ事

今回このホームシックになるまで、自分は一生ホームシックとは無縁だと思っていました。

またホームシックにかかった人の話を聞いても「大変でしたね~(他人事)」程度にしか思っていませんでしたが、大変どころじゃないよ本当に!どこでもドアは一体いつできるんだよ~!と、経験したあとは共感しかございません。

「骨を埋める覚悟で~」系の叱咤激励も今までは特に何も思わなかったのですが、実際自分がホームシックにかかると骨とか覚悟とかそういう漠然としたものを言われても、知らね~~!と全く受け入れられないのも発見でした。

誰かに何か言われて好転する場合ももちろんありますが、私の場合は誰に何を言われても「ここは日本じゃないんだなあ」という事実を悲しみシクシク泣いていました。めっちゃ迷惑なやつですがその時は本気で辛かった…。

あと日本のことを好きなのがホームシックになってわかりました。イギリスのことも大好きだし生活基盤はこちらなのですが、ホームシック中に感じたイギリスはアウェイ感はなかなか堪えるものがありました(イギリスが悪いのではなく、とにかく自分にしっくりくる場所は日本しかない!みたいな狭量的な考え方しか出来なかった)

住んでた頃は夏は暑すぎるとか、残業がエグすぎるとか、根性論滅しろ、など色々文句を言っていましたが離れてみると良いところも沢山あったなあ…と、未練たらたらたら。

この記事を書くために日本の写真を見返していたらまた帰りたくなってきました、そろそろ次の一時帰国を考えようと思います!考えるだけでも楽しみだな~。