イギリス ロックダウン47日目、ひきこもり生活の備忘録

3月23日からロックダウンが始まり、本日5月9日で47日目に突入しました。コロナの猛威は止まるところを知らず、イギリスは犠牲者数が世界2位となりロックダウン解除はまだまだ先になるのではないかと思います。

明日10日に政府からアップデートがありますが、いつまでこの状態が続くのか分かりませんがロックダウンから今日までの備忘録です。

在宅勤務と630万人のFurlough(一時解雇)

2月半ばくらいから各企業の判断によって在宅勤務へ切り替わりました。欧州各国の状況をみるとイギリスも時間の問題で、IT課はノートパソコンやセキュリティのセットアップに走り回る事になりました。

私はヘルプでIT課に混ざっていたのですが、体感的なコロナの影響はこの時間制限がある中でのパソコンやセキュリティのセットアップでした。本当に疲れた…。

そして世界全体の停滞を受けて企業として利益が生み出せず、社員も手持ち無沙汰になり3月末に多くの人がFurlough(一時解雇)となりました。今現在一時解雇された630万人の国民の給料は80%まで政府がサポートしています(※会社によっては残り20%支払い、従業員に給与面でのダメージが出ないようにしているところも)

あと一時解雇は「レイオフ」だと思っていたので「Furlough」という単語が最初全然ピンとこず、今回のコロナの件で普段使わない医療用語も繰り返し聞いているうちに覚えました。

今思えばこの在宅勤務セットアップでギャーギャー言ってた時は、イタリアやスペインが大変な事になっていて、ポーランドがいきなりロックダウン宣言して戦々恐々としたり、毎日「ロックダウン、今日か明日か…」とドキドキしながら生活していました。

大学卒業する時に「もう2度と2ヶ月休める夏休みはないんだなあ」と切なくなったのですが、まさか出社が出来なくなるという状況が2ヶ月近く続く時が人生にプログラミングされているとは驚きです。

英国人はガーデニング、日本人もゲームでガーデニング

皮肉なことにロックダウンされてから青空が広がる美しいお天気の日が増えました。気温もグッと上がって美しいイギリスの夏が徐々に近づいてきています。

普段なら公園に人が溢れるのですが集会など禁止されているため、太陽大好きイギリス人はガーデニングで太陽欲を満たしているようです。我が家のイギリス人+スコットランド人も天気が良いと聞くと信じられない時刻に起きて、ずっと庭いじりをしています。

在宅勤務の合間とかじゃなく完全にガーデニングの合間に仕事をしているだろって感じですが、6月にはもう夏至が待っているので気持ちはわかる…おうち大好きだけどもしこのロックダウンが冬に起こったら結構しんどかったかもと思います。

普段はロンドン郊外にあるガーデンセンターに植物や種を買いに行くのですが、そこがコロナの影響で閉まっておりホームセンターのHOMEBASEに買い出しに行ったようです。一部店舗は入場制限をかけながらあいているんですね。

私は潔癖症でガーデニングが出来ないので、芝にピクニックシートをひいて絵をかいたり今まで食わず嫌いしていたソフトウェアで遊んだり寝たりしております。自堕落を絵に描いたような日本人。

このピクニックシートは今年コーンウォールへ行く用に新調したのに、行くのは来年になりそうだなあ。めちゃくちゃ大きいのでピクニックにも良さそうなので、ロックダウンが少しユルくなったらまずはピクニックがしたいですね〜。

ゲームの世界では真面目にガーデニングしております!

スーパーマーケットの棚に商品が十分補充されるようになった

ヨーロッパの国々が次々とロックダウンし飛行機が飛ばなくなりイギリスもいよいよ…という空気が漂い出した3月初旬、スーパーマーケットからトイレットペーパーやパスタ、卵にトマト缶、ハンドジェルなどの姿がなくなりました。

空っぽの棚をみて不安が募り買い占めや余計なものまで買ってしまう悪循環が社会全体で起こり、一部では商品の取り合いで喧嘩が起きたり不穏なニュースもありました。

その後感染拡大を防止するために、オンラインショッピングを推奨しスーパーマーケットには入場制限が設けられました。スタッフさん達の手際いいコントロールによって、列は出来るものの10分〜20分で入店でき買い物が出来るようになりました。

国民がこの環境に慣れてきたのもありますが、買い占めや喧嘩のニュースも聞かなくなり「何かがなくなる、手に入らなくなる」という恐怖が和らいだと思います。

今でも私のエリアはパスタなど手に入りにくい環境にありますが、特に生活上めちゃくちゃ困る!とうことはなく、なるべくオンラインショッピングを利用しながらどうしても、という時にスーパーマーケットへ行くようにしています。

多くの在英日本人が最初に買いに走ったものは…やっぱりお米

ロックダウンの空気が漂い出した時に最初に思ったのが「やばい、お米買っとかなきゃ」でした。先にロックダウンしたイタリアの状況をみるに買い物も難しい、そもそも日本食品店が閉まったら…など考えると5KGのお米をとりあえず買いに行くことにしました。

日本食品店のATARIYAについてビックリしたのが普段は何種類もあるお米がほぼ売り切れており、残っていたのは玄米と1、2ブランドのみでした。日本人は緊急時に真っ先に買いに走るのはお米なんだなあ、と実感です。

そういえば(日本人の私にとっては)意外な物が売り切れていました。

ロシア旅行ですっかりハマったスーシュカというお菓子!!

ロシア食料品店 Dacha Shop

スーシュカを求めてDacha Russian Shopへ!ロンドンのロシア食品店

棚が空っぽになっていました…ロシア人もロックダウンと聞いてスーシュカを買いにはしったのかな?地元に戻って東欧系のお店で無事ゲットできました!

日本からの救援物資に助けられる

日本に住む同僚に「パスタがない…ふりかけもない…お米と一緒にふりかけも買い占められたのじゃ…」と話したところ日本から送ってくれました。マジでありがたい!!

イギリスの状況がどんどん深刻になるにつれ日本に住む友人達から「何か送ろうか?」と聞かれるのですが…前述の同僚曰く今現在コロナの影響で日本から送る/日本で受け取る国にも制限があるようです。イギリスは該当しておらず送ることができたようですが今後どうなるのか…。

日本も大変なのにこういう心遣いはありがたいです。お礼にマーマイトを送ります。

バーベキューしたい欲と戦って負けている

外出も気軽に出来ず、外食も出来なくなってしまったけど食事だけは楽しみたい!&バーベキューシーズンなのにバーベキューできない!!という欲求が合わさり、家にいるメンバーだけでお庭でバーベキューをやっています。

ピザ窯でピザやお魚、シェパーズパイを焼いたり…

とにかくお肉を焼きまくったり…テンション上がって毎回作りすぎるのですが、ロックダウン中といえど在宅勤務の仕事があったりその他各自やる事はあるので、食事を準備し食べる時は一緒に食べるという一定の規則があるのは生活の乱れを防ぐし、何よりバーベキューはやっぱり美味しい!

クリエイティブについて考える

意識高いタイトルですが、意識が低いというか意識がなくなりそうです。

周りはクリエイティブを生業にしている友人が多いのですが、今回のことを受けてオンライン飲み会で話題になるのが「自分の仕事って究極人間が生きるのに必要はないんだな」という事です。これは決してクリエイティブ業を否定する意味ではなく、こういう非常事態が起きた時に自分たちのスキルを使って出来ることが役に立ちにくいことが割とショックだったという話です。

広告、映画、ゲーム、旅行、伝統工芸、舞台…様々な業界に従事する友人たちと「芸術が金持ちの道楽だって言われていた本質的な理由を見てしまった気がする」と少し凹んでおりました。

しかし凹んでいても仕方ないので、友人たちと宇宙のゴミ呼ばわりされるクリッククソゲーや動画を作ったりしています。こういう時間が将来のどこかで役立つことを祈りつつ…。

ただネットの発達によってこうやってオンライン飲み会したり、そこででたアイデアを一緒に作ったり出来るのは本当に救いです。この影響で孤独感や寂しさなどは全然ありません。

精神的な安定や健康が何より大事

47日間「結構テンション上がるのは必要な時に行くスーパーマーケット(※2週間に1回程度)」といういつまで続くかわからないひきこもり生活から学んだ事は、精神的な健康を保つことが何より大事です!

考えだすとキリがないほどの不安が世界を襲う中、制限がかかった生活の中では回復にかなり時間がかかったり、回復するキッカケがないまま精神的にしんどいのが慢性化する可能性があります。

DV問題に関する相談窓口のCMをよくやっているのですが、DVはもちろんのこと家族といえどこの不安な状態な中ぶつかり合うと逃げ場がないので相当辛いと思います。だからひとりひとりの精神状態がある程度安定しているのはとても大切なことです。

ということでロックダウン生活の中でも友達とゲームをしたりオンライン飲み会をしたり、適度に楽しみを見つけて精神の安定を保ちつつ引き続きひきこもろうと思います。