アフガニスタン出身の作家カーレド・ホッセイニの小説「君のためなら千回でも(原題:The Kite Runner)」
長年ニュースのなかにネガティブな意味で登場するアフガニスタン、実際にどんな国なのかそこに暮らしている人たちはどんな生活をしているのか、どこかにエキゾチックさを感じるこの国を知りたくてこの小説を読みました。
この小説から垣間見れた平和な時代のアフガニスタンの風景、ソ連による侵略、パシュトゥン人とハザール人、イスラム教のこと、日本の子供たちと変わらない凧揚げという文化…今まで知らなかったアフガニスタンという国を色々な角度から知ることができ、映画化もされています。
非常に興味深かったのが作中に登場する料理の数々です。一体どんな見た目で味がするのか?辛いのか、甘いのか、味付けはなんだろう?どんな匂いで、食材はなんだろう?
どこかで食べれないか検索したところさすが多民族の街ロンドン、イースト・ロンドンのMile End駅近くにあるアフガニスタン料理店 Ariana Restaurant がヒットしたので、友人を誘って行ってみることに。
Ariana Restaurantはマイルズ・エンド・パークという公園に立っていました。緑がしげって水たばこのシーシャなどを外で楽しめるバルコニーもついています。
メニューをみても一体どれが伝統料理なのかよくわからなかったため、店員さんに「アフガニスタンの人がよく食べるメニューを」と注文しました。
気になる食事の味ですが…めちゃくちゃ美味しかったです!食材としてはラムや豆を使ったものが多く、日本人の口に合う優しい味でした。店員さんのオススメなので料理名がわかりませんが、また食べに行きたいなあ~!
今まで報道の印象から何となく「怖い」という印象しかなかったのですが、料理を食べながら友人と「こんな優しい料理を作る人々の国があんなことになってるなんて…」としんみりしました。
TVから流れる武装集団の映像を見るより、小説に影響されてその国の人が食べているごはんを食べる事でアフガニスタンという国のことをもっと考えるキッカケになりました。人間って自分が経験してやっとキャパを突き破って次の思考ステージに入るんだねえ、と美味しいご飯を食べながら楽しい夜を過ごしました。
調べたところ在日アフガニスタン大使館主催で定期的に凧揚げ大会が東京で開催されているようです!凧揚げは日本でも伝統的な遊び、こういう共通点を通してお互いの国を少しづつ知っていけるのは良い事です。
この小説を貸した友人としばらくの間「アミール・アハかよ!」と謎のツッコミが流行りました。今は彼女が貸してくれた同作家の「千の輝く太陽(邦題: A Thousand Splendid Suns)」を読んでいます。
最後に、これはさんざん言われていることだと思いますが「君のためなら千回でも」は邦題がめちゃくちゃ良いです。選んだ人本当にすごい!小説のなかに登場するセリフなのですが、読み終えて本を閉じたときに目に入る邦題からは、行ったことがないアフガニスタンの風と空を舞う美しい凧を感じるようでした。
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