北ロンドン朝の散歩①古き良きイギリスの街 マズウェルヒル (Muswell Hill)

マズウェルヒル (Muswell Hill)はロンドン北部にある小さな街で、地下鉄駅はなく最寄駅のハイゲート駅(ノーザンライン)へはバスで10分ほど。

地下鉄が通っていない影響か個人商店が多くのこり、街はいつでも穏やかな空気に包まれ古き良きロンドンを感じることができます。

ハイゲートの語学学校に通っていたので、とても思い入れるのある街マズウェルヒル。コロナ禍をまたいで、約3年ぶりに朝の散歩へいって来ました。



コンパクトに全てが揃っている街 マズウェルヒル

マズウェルヒルは、観光客がわざわざ訪れるような場所ではないものの、北ロンドン在住者にとっては、ディナーに行ったり、アレクサンドラパレスでのイベントを楽しんだり、買い物をしたりするための場所の一つです。

また北ロンドンのハイゲートやフィンチュリーエリアの語学学校生は、ホームステイ先や住居エリアになる可能性も。

マズウェルヒルは主要なチェーン店(コーヒーショップ、薬局など)が揃っている他、個人商店が多く残っておりどのお店もオーナーのこだわりを感じることができ、中には長い歴史を持つものもちらほら。

オレンジ色のレンガで作られた可愛い街並み。

晴れた日はレンガの色が青空とのコントラストで本当に鮮やか。大通(まずウェルヒルブロードウェイ)から横道に入るとすぐ住宅街、高低差がある街並みと歴史ある建物が本当に美しいです。

留学1日目、語学学校が終わってセントラルの向かう前にこの街に立ち寄って携帯電話(当時iPhoneはSIMロックがあって日本のスマホをイギリスでは使えなかった)を契約したり、留学時代の思い出が色濃く残る街。

今みたいにスマホですぐなんでも調べられる環境ではなかったものの(持っていた携帯はソニーエディクソンのガラケー)その不便さゆえに目に映るものや入ってくる音に集中できた、自分にとってはそんな時代を思い出させてくれる街です。

小高い丘から見えるロンドンの街

60年代に活躍したキンクスのレイ・デイヴィスのお膝元の街(詳細にいえばフォーティス・グリーン出身)アレクサンドラパレス(通称アリパリ)があって、道を歩いているとロンドンの中心地を一望できる位置…少し小高い場所に街があるのがわかります。

2階建てバスから眼下に広がるロンドンの街並みは、映像や写真では伝わらないほど美しいです。ロンドンは平坦なイメージがありますが、北部には丘陵地帯が多く、街の喧騒を感じずに、ロンドンを一種の風景画のように楽しむことができます。

マズウェルヒルは個人経営のお店が多い

チェーン店も数多くあるものの、マズウェルヒルはその土地で何十年、もしくは何百年も続く個人商店を目にすることも多いです。朝早くに行くと、どこのパン屋さんも出勤前に立ち寄った人で賑わっていたり、カフェの前ではゆったりお茶を楽しむ人々の姿が。



美味しそうなお肉屋さん。

マズウェルヒルに住んで在宅勤務なら、ランチ時間に気分転換に出かけるの楽しそう…。

北ロンドンでも名高い人気を誇るフィッシュ&チップスのお店「Toff’s of Muswell Hill」ここの巨大、肉厚、ジューシーなフィッシュ&チップスは食べ応えがあっておいしいです。久しく行っていないので、また行きたいなあ…。

安くて量が多い!ということで、語学学校時代によくクラスメイトとお昼を食べに行ったイタリア料理店La Porchettaもまだまだ健在。元々お隣のMidoriもLa Porchettaで結構大きなレストランだったのですが、今では半分のサイズに。

おいしいそうな匂いが漂う朝のベーカリー、多くのお客さんで賑わっていました。魔女の宅急便に出てきそうなローフパンがおいてあったり、こういう地元ならではのパン屋さんいいですね〜私の住んでいる地域はなぜかパン屋さんがないので羨ましい。

この日は結構朝早くに散歩に行ったこともあり、開いていないお店もちらほら。

紅茶やコーヒーなどを取り扱う「W Martyn」もまだ開いておらず…ちょっと立ち寄りたかったので残念…。

「W Martyn」はオリジナルの紅茶やコーヒーも販売しており、私の知る限り日本に進出していないのでお土産に喜ばれる一品です。パッケージも可愛いし、歴史のあるお店、その他イギリスの伝統的な企業の食品も取り扱っているので、お土産物探しにぴったりなお店。

その後は本屋さんを覗いてみたり…ぐるぐるとマズウェルヒルを回りました。アレクサンドラパレスにも行きたかったのですが、芝花粉の症状がひどいので見送りました。

マズウェルヒルにかつてあったチャーチパブ(教会跡地パブ)

そういえば…マズウェルヒルは教会跡地をパブにした「チャーチパブ(O’Neill’s経営)」も名物の一つだったのですが、今はMiller & Carterに買い取られステーキハウスになりました。

一度行ったことあるのですが、吹き抜けでステンドグラスや教会の面影を感じながらお酒が飲めたパブ時代とは内装が大きく変わって、チャーチパブが好きだったので無くなったと知った時は驚きました。

パブ時代、使われている机や椅子もかつて教会で使われていたもので、オレンジ色の光溢れる内装。留学先だった語学学校生の溜まり場で、そこに行けばどこかにクラスの生徒に会える…みたいな場所でした。

いつまでも同じ街でいるのは不可能ですが、思い出深い土地が少しずつ変わっていくのは少し寂しいですね〜。

マズウェルヒルからバスに乗ってハイゲート駅へ

マズウェルヒルを後にして、バスに乗り地下鉄ハイゲート駅に向かい、そこから徒歩で坂道を登り小さな村「ハイゲートヴィレッジ」を目指します。