イギリスで仕事探し!学歴・職歴に関係ない就活をして失敗した話

日本のゲーム会社を退社して移住し、ゲーム会社でデザイナーとして働きたい、という夢に一段落ついたことで正直次に何をしたいのかよくわからない燃え尽き症候群のようになっていたイギリス移住後。デザインへの情熱が低くなり、他業種を重点的にジョブサイトを見て回っていました。

ネットには学歴・経験を問わず海外で就職できた!と言う成功談もたくさんありますが、逆に偏った学歴と経歴ではそれに関係しない職を探すのは難しかったと言う失敗談です。

イギリスの仕事探しは、学歴と職歴が重視される

仕事探しを始めた時、燃え尽き症候群によりデザイン系に一切情熱が持てず候補から外し、「やりたい・やりたくない/できる・できない」が自分の中で定まっていないので闇雲にメールを送ったものの、カバーレターもぼんやりした内容なので返信は全然来ませんでした。

今までの学歴や職歴が芸術畑のみで潰しがきかない状態で、スキルが逆に足かせになってしまいました。「なぜこの学部で、この職歴を経て、今このポジションに応募してきたの?」「デザインやクリエイティヴにあえていかない理由は?」に対する答えも持っておらず、でもデザイン系に戻る気も出ずで八方塞がりでした。

友人に「会社で事務職の求人出してるけど、どう?」ときかれても、やりたいのかどうか、仕事内容を聞いても自分でよくわからないので結果としてコネもうまく使えず月日は流れていきました。

「接客業」が壊滅的に出来ない場合とその理由

移住・ワーホリの仕事探しで真っ先に思いつく「日本食レストランでバイト、カフェなどでウェイトレスやウェイター」ですが、英語力の問題以前に接客技術が著しく低い人にとってこの選択肢は中々厳しいです。

まず自分がなぜ接客が出来ないのか考えてみました。

  1. 接客業をやったことはあるけど続かなかった過去がある
    高校時代にバイトでウェイトレスをやった経験があるものの、全然うまくいかないし3ヶ月しか続きませんでした。辞める時店長さんから「あなたは接客は向いてないから、違う道を見つけた方が良いよ」とアドバイスを受けたのですがぐうの音も出ませんでした。
  2. お客さんが何かいってるそばから、何を言ってるか全然わからなくなる
    注文をとるときにお客さんが言っていること、全然むずかしくない「コーヒーとパンケーキ下さい」など言われているそばから何を言っているのかわからなくなります。何度聞き返しても最初の「コーヒー」は聞き取れても次の「パンケーキ」で大混乱を起こしたりました。母国語だし相手も早口ではないのになぜこうなるのか…。
  3. 注文聞き取りメモをとることが同時に出来ない
    上と同じく「この人の言っていることをしっかり聞かねば!」と思いすぎてメモをとっておらず、注文を言い終わってから「あれ?なんだっけ?」と何度もなりました。しかもしっかり聞かねば、と集中して聞いていたはずのにメモをとろうとしたら全然何いってたか思い出せません。
    これは今でも引きずっており、会社で電話がかかってきて内線であっても時々「今誰と話してるんだっけ…」となることがあります。
  4. お客さんが呼んでいても全然気づかない(気が利かない)
    気をつけよう!と思ってもいつの間にか考え事をしていて気づかないこと多々。もはや何を気をつけようとしているのか謎ですし、気をつけることを気をつける!という無限ループに突入です。
  5. 臨機応変に対応する事が出来ない
    普通に注文をとることも出来ないので、お客さんによって個別対応が必要な場面や、スモールトークが求められる場面は難易度がもっと高くてテンパります。
  6. 目を合わすのが苦手
    話をきく、メモをとるで精一杯すぎて目を見ている余裕がないし、元々目をみるのが苦手。
  7. ディスカリキュリアの影響で計算が全然出来ない
    識字障害(ディスレクシア)と同じ学習障害の一つで、算数障害(ディスカリキュリア、数字の認識能力が低い)を持っているので計算することが凄まじく苦手です。これにより数字に対する疎さはお金を扱う仕事でかなり不利です。

高校時代の3ヶ月の接客はほぼ経験とも言えないので、あまり現実的ではありません。

ディスカリキュア(算数障害)とともに左右盲(左右がとっさにわからない)もあるのですが「ゲルストマン症候群」という失認症にあたるそうです。名前があるということは薬や治療法もあるのかと思いきや、今のところ特にないとのこと。となると、この自分のなかの現象とうまく付き合っていくしかないです…将来的に何か薬やテクノロジーによって補完されたら良いなあ、と思います。

新しい世界へ飛び込んで苦手を克服…出来なかった

クヨクヨするよりとりあえず行動してみるか、ということでギャラリーの事務職に応募してみました。自分の興味あるアート系だから大丈夫だろうと思って。

「基本的に事務、でも忙しい時は接客する可能性がある」とありましたので、深く考えずにアプライして採用されたのですが…事務というわりに自分のパソコンもなく、ずっと接客でした。

高校時代から時間もたっているし少しは自分も成長したかなと思っていましたが、やはり色々問題がでてきて結局1週間で辞めました。

しかし「新しい世界に飛び込んだことで自分は接客がやっぱり出来ないのだ」という再認識出来ました。もうここからは開き直るしかありません。今回のことで自分は何が向いてないかわかって良かった!ということで、なので結果的に挑戦したことは良かったです。

接客をやってよかったと思うこと

短い接客キャリア(3ヶ月!)ですが、接客業を一度でも経験したのは良かったと思います。

当たり前のことですがサービス業をやっている人、店員さんも人間です。でもその当たり前のことを忘れて無理難題をいったり、クレームをいって困らせたり、意地悪をする人がいますし、そういう人が何気ないストレス発散にやったことが従業員さんの1日をどんよりさせてしまうこともあります。

またサービス業やショップ店員、日本食レストランで働くことを見下している人もいます。でもその人達がいないと成り立たないことは世の中にたくさんあります。そして「誰でもできる」と言われる仕事を何らかの理由で出来ない人もこの世に少数ながらいます。その立場の人間から言わせればまがいもないスキルを要した仕事です。

職業に貴賎なし、というと大げさかもしれませんが相手のことを尊重し最低限の敬意を払うことで、お互いが気持ちよく健康的に過ごせるはずです。

世の中は適材適所で回っている

私の同僚に逆に「接客が好き」という人がいます。彼女は接客を通してお客さんの問題を解決したり、手助けすること、接客を通して色んな人と関わることで刺激をうけるのが好きだと言います。(逆に言えば私はこの刺激が苦手なのでしょう…)

でも彼女は逆に私がパソコンに向かいブツブツ独り言をつぶやきながら仕事しているのをみて「絶対に無理!気が狂いそう!」というので、人間には向き不向きがあるのです。彼女が刺激を楽しみながら接客し、私がブツブツ言いながら仕事をすることで世の中回っていくのならそれが一番だと思います。

人と関わるのが苦手ならそれを補うスキルを伸ばす

接客や人と関わるのが苦手な人は仕事探しに結構影響がでるのは事実です。

そして自分自身でその性格を変えるのが難しい場合は、諦めて他のスキル、例えばプログラミング、デザイン、エンジニアリング、音楽、ライティングなどの分野で自分が夢中になれるものを伸ばすのが良いと思います。

残念ながら人と関わらなくてOKの仕事は多くありません。しかし自分の得意分野であれば人と関わることのストレスが軽減されます。ストレスより楽しさが勝れば、仕事自体が趣味の延長線のものになので責任をともなう遊びになります。遊んでお金をもらえるなんて最高です。

またやったことない分野を始めるのは億劫かも知れませんが日本はもちろん、ロンドンも学ぶクラスがたくさん開講されているのでそういうクラスで学び、職探しにつなげるのもありだと思います。

最終的にデザイン畑に戻りました

就活にヒイヒイ言っている間は制作から離れていたのですが、それが制作に関して客観的に考える時間となって段々とデザインや制作職をやりたいという気持ちになりました。

「魔女の宅急便」でウルスラ(森に住んでいる画家のお姉さん)がキキに「絵をかけない時どうするのか」と聞かれ「描くのをやめる 散歩したり 景色を見たり… 昼寝したり 何もしない そのうちに急に描きたくなるんだよ」という答える場面があります。

これは本当だな、宮崎駿ってすごいな…と思いました。渡英当初は「もうデザインはいいわ」と思っていたけど、半年たつと「やっぱりデザインがいい!」となりました。

それに続けて「魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。神様か誰かがくれた力なんだよね。」というセリフも、それぞれが違う得意分野や才能を持っているというメッセージが込められているのだと思います。

私は接客や営業の血を一滴も持っていないけど絵を描くのは好きなので、「おかげで苦労もするけどさ」とも思いますがそれを活かしていきたいです。