秋が深まってきたイギリスです。というか、寒さが厳しくなってきて冬が来たなあ、と感じています。イギリスの夏は突然終わって、気づいたら冬風になります。
日本にいた頃は、京都の高雄へ紅葉を見に行っていました。去年、日本に1年滞在した時に、何年かぶりに高雄の紅葉を見れたので、その時のことを書き綴っていきます。
高雄への行き方、阪急烏丸から京都市営バスで約1時間
大宮駅からバスに乗りました。京都市営バス8 栂ノ尾行でアクセス可能です。
しかし、紅葉の季節はものすごい人なので、1時間バスに立ちっぱなしで結構しんどい&山道なのでカーブなどで体に負担がかかる…ので、もし可能なら始発駅(四条烏丸・地下鉄四条駅や京都駅でJRバス利用)から座って乗って行った方が良いと思います。
高雄の山道を散策しながら神護寺へ
降りるバス停は、どこへ行きたいかにもよりますが「高雄駅」で降りました。京都中心地からたった1時間ですが、都会の喧騒を抜けて静かな山道です。
秋の高雄は人は多いといえば多いのですが、エリアとして結構広いので嵐山の渡月橋付近みたいにギュウギュウになることはなく、ゆっくり紅葉を楽しむことができます。
ちなみに、3つのお寺は全て徒歩で行けます。紅葉をゆっくり楽しむと結構一つ一つのお寺で時間を使うので、朝か遅くともお昼から散策開始するのがオススメです。
▲なぜかブレブレの焼き芋屋さん
山がもつ独特の凜とした空気は気持ちいいです。時々こうやって、週末やお休みの日に、都市から離れたエリアを訪れるのは精神的なデトックスになりますね。
イギリスに住んでいて何気に恋しくなるのが山!もともと山にある街で育っているので、風景の中にはいつもグルッと山が街を囲んでいる思い出があります。
イギリスに初めてきた時はその広々とした空と、どこまでも続くなだらかな丘陵に感動したものですが、長く住んでいると「山に囲まれてないって、どこか不安を感じるなあ」と、進撃の巨人の影響か?と思ってたのですが、単純に育った環境の影響ですね。
これを考えると海の近くで育った方は、やっぱり海が恋しくなるのでしょうか…。
高雄の山道に並ぶ食事処、可愛いし美味しい
山道を歩いていると、食事処がチラホラ。
こちらの風景は、高校生の時に初めて高雄を訪れた時からあまり変わっていなくて、来るたびに「懐かしいなあ」「高雄に戻ってきたなあ」という気持ちになります。
山にあるこういう食事処って、働いてる人たちは地元の人なのかなあ、とか、食材を運ぶのも結構大変だよなあ、など想像するのが楽しいです。
ポーランドのザコパネにあるモルスキエ・オコ湖へ行った時も、北海道に行った時も山道にある小さなお店や個人営業の食事処というのは何だかとてもロマンを感じます。
「たぶん」という謙虚さが可愛い、日本のこういう日常に潜む可愛い表現めっちゃすき。
紅葉を眺めながらおうどんを頂くことにしました。ここでおうどんを食べるのも、毎回高雄に来たらしている恒例行事。
綺麗な空気と紅葉と、温かいおうどん。贅沢贅沢〜こういうのんびりした時間が一番贅沢。
紅葉のお麩も入っててすごく可愛い!目にも嬉しい、高雄のおうどん。この寒い中、温かい麺類を食べるというのは本当に至福の時です。
そんな感じで腹ごしらえもしたので、3つのお寺を巡っていきたいと思います。
美しい境内と瓦投げ!弘法大師霊場 高雄山 神護寺
山道を登っていきます。階段、しんどい〜!体力がないのでヒイヒイ言いながら神護寺を目指します。
一休みしながら登っていると、お年を召した方々がわいわいと横を通り過ぎていき、元気だよなあ〜あちらから見たらもやしな若年者って感じだろうなあ、と思いつつ神護寺を目指します。
登っている中でも紅葉が綺麗です。山門は残念がら修復中のようでした。
神護寺には燃えるような紅葉がチラホラあって、静かな雰囲気と落ち着いた色合いの建築物とのコントラストがすごく綺麗でした。
この絵の具で塗ったようなヴィヴィッドな赤が、自然から生まれてくるなんて凄いなあ…。
本堂への階段脇の紅葉も美しい。この京都の山奥で、昔からずっとここで信仰がおこなわれ、今でもそれが続いているのは不思議な感じがします。
山奥にあるお寺に来ると、その時間のゆっくりさというか、今生きている時間も長い長い巻物の一部のような気持ちになります。
普段パソコンと向き合って、デザインやらマーケティングに勤しんでおり、ある意味水物をずっと扱っているような感じなのですが、お寺や山・信仰というのはいつでも変わらずそこにある、という対極にある存在のような感じがします。
特定の宗教を信仰しているわけではないですが、信仰心というものが人々の生活に寄り添っているのを感じて、ほっこりしました。
神護寺といえば、お寺の奥にある瓦投げが有名です。「かわらけ投げ」をして厄を払います。
2021年はコロナ禍で世界が大変なことになり、仕事もなくなり、日本でしばらく過ごしていた不思議な年だったのですが、2022年は好きな仕事ができて、みんな健康で過ごせますように〜と瓦を投げました。
紅葉が渦巻く展望台(?)のような所からみんな力いっぱいに瓦を投げていました。
瓦は展望台のすぐ横で購入可能。購入した時に、販売員の方が「こうやって投げたら、遠くに飛びます」と教えてくれました。結局元々の力がないので、そんなに飛ばなかったのだけど厄祓い完了〜!
神護寺はそのほかにも、山奥の方にお墓があったり、賑わっているエリア以外にも見所があるみたいですが…
結構ガチの山道じゃん、となってお墓へ行くのは諦めました。(しかも誰のお墓か知らないという体たらく、興味本位で山へ入ってはいけない…)
山道を歩いて次は「西明寺」へ向かいます。
〒616-8292
京都市右京区梅ヶ畑高雄町5番地
小さくて、可愛いお寺の西明寺
西明寺も紅葉の名所なのですが、こじんまりしていて神護寺とはまた違う魅力があります。
お庭の緑と紅葉の赤のコントラストが美しい…のんびりした空気が漂っており、俗世のいろんなことがどうでも良くなりますね〜。
西明寺はめちゃくちゃ派手!!ではないのですが、とにかく独特の時間の流れの中にいるなあ…という気持ちになれて好きなお寺の一つです。ここで生活してみたい…。
〒616-8291
京都府京都市右京区梅ケ畑槇尾町1
鳥獣戯画が眠るお寺、世界遺産 栂尾山 高山寺
ちょっとした住宅地に瓦そばのお店が!瓦そばといえば、山口県民の家庭料理…まさか京都の山奥で見るとは思いませんでした。美味しいので食べたかったけど、残念ながら閉店していました。
恐いほど透き通った川を眺めながら高山寺に向かいます。
高山寺は有名な鳥獣戯画が所蔵されております。特別公開の時は複製画を見ることができるそうですよ!あの絵を見ると「日本の漫画文化ってもうこの時からあったんだなあ」という気持ちになります。
高山寺は大木が立ち並び(2018年の台風で大分倒れたそうですが…)静寂に包まれたお寺です。高雄にあるお寺は、紅葉の季節は特にですが、色調がめちゃくちゃ綺麗にまとまってて、絵の世界にいるようです。
こうやって山奥で、ずっと人々の手によって守られてきているお寺や神社というのは、独特の魅力がありますねー…イギリスの教会にも通じますが、外の世界と少し空気が違う。
テクテクとお寺の奥の方へ進んでいきます。
木がさわれないから手を浮かすという不届きものですが、大きさに感激!
そんなこんなで結局朝から夕方までのんびり高雄を巡りました。さすが山、夕方は結構冷えてきたのでしっかり防寒具を持っていかないと風邪をひきそうです。
帰りのバスは並びますが、なんとか座って京都駅まで戻ってくることが出来ました。
そんなこんなで、もうすぐ紅葉の季節なので「去年行った高雄、よかったなあ〜」と思い出し書いてみました。今年はイギリスで秋を楽しみつつ(もう冬が来てますが)またいつか、ゆっくりと高雄の紅葉を見にいきたいです。
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