コロナ・ウイルス拡大とイギリス生活

新型コロナウイルスの影響はとどまるところを知らず、これを書いている今も広がり続けています。

スペイン風邪など歴史に残る流行り病について「よくそんなに広がったものだ」と思っていましたが、疫病が実際に拡大していく様子を目の当たりにするとそれを防ぐのがいかに難しいかをまじまじと感じました。

コロナウイルスに世界が危機感を持ち出してすぐに、ブリティッシュ・エアウェイズが中国行および中国経由の便を全部キャンセルしほかの航空会社もそれに続いたのを見ると、こういう時にすぐに決断を下せる(内部で色々あったとは思うけど)体制というのは顧客や企業を守るだけではなく結果的に感染拡大阻止になるのだな、と思いました。

日本では学校閉鎖が決定し、ライヴや様々なイベントが中止になり、何年か前に喜びにわいたオリンピックも開催が危ぶまれている状態です。受験や入学式・卒業式など学生に大きく影響が出そうなのも心配、救済措置がしっかり用意されると良いのですけど…。

オタク的なことでいえば春コミ開催が難しいのではないか、と原稿を頑張る同人作家の方々の事を考えると早めに決断してほしいニュースも見ました。

友人も「事がことだし仕方ない、開催して感染拡大したら大変だから中止すべきだと思う。家族に移したくないから私は催行されても出席しない」と言いつつ「原稿をどうしたらいいか…通販でもいいけど、うーん」と悩んでいる様子です。

実生活でいえばAMAZONでなにか買うときに出荷日が異常に先だったり、中国にどれだけ頼って生きているか実感させられました。

 

コロナウイルス拡大に伴う「アジア人差別」の報告を目にする機会も増えてきました。

ロンドンでの生活において今のところ差別を受けたり嫌な思いをしたりという事はないのですが、実際にニュースやSNSにはアジア人を理由で差別を受けた人たちの事が掲載されており日本人をはじめアジアルーツの方々は少し警戒心を持って生活しているのではないでしょうか。

日本に住む友人たちからはSNSに投稿された各国で起きたアジア人差別に関するスクショが送られ、ヨーロッパ人および欧米人すべてがアジア人差別に加担しているかのよう雰囲気もあって、悪いのはウイルスなのに人種同士の対立へ繋がっていっている感じが否めません。

またイギリス人には差別を受けた場合は「周りに人がいるなら助けを求め、その差別をした張本人の写真を撮ろう。後で行動で起こす時に使えるよ!」とも言われ、泣き寝入りは絶対しないヨーロッパの風潮を感じつつも、実際そういう状況になったらショックで写真を撮れるか、激昂されるのが怖くて何も出来ないのではないかと自信があまりないのが正直なところです。

差別に慣れていない、というか「差別をしてはいけない」という考えはあれど「差別された時どうするか」は自分の中で今まであまり考えたことがない事なのだと今回のコロナ起因のアジア人差別で気づきました。

以下のようなニュースもありました。

Shocking attack as woman punched unconscious in ‘Coronavirus rage’ racist incident

中国人の友人を「コロナウイルスを自国へ持って帰れ」とののしった男性に立ち向かったMeera Solankiさんが殴られる…コロナウイルスによる差別

何かをきっかけに差別が生まれそれが連鎖していく様子、そして被差別側の恐怖が伝染していく様子も疫病が拡大していくのを見るしかないのと同じで、なんとも無気力な気持ちになります。

そんな中で「自分は関係ない」ではなく友人のために暴漢に立ち向かった女性のニュースは、心強く感じるものがありました。

ポーランドで差別にあった話

会社のシリア人の同僚とこの話をした時に「差別が怖い、差別されたくない、で終わるのではなくエボラが流行った時にアフリカンがどういう扱いを受けたか、イスラム教というだけでずっと肩身が狭い思いをしている人がいて、今まで関係ないと思っていた人の立場を考える機会にしたら良い。マイナスな状況だけど、差別について身をもって学ぶとプラスに考えてみなよ」と言われ、国籍によってさまざまな差別を受けている彼の言葉は重みがありました。

早くコロナが落ち着いて、今感染している人たちが一日も早く回復しますように。